(※写真はイメージです/PIXTA)

所有する土地の隣地トラブルは、比較的身近に起こり得る問題です。隣接する土地の所有者に対してその問題を伝えても、なかなか対応してもらえないケースも少なくありません。このような状況に直面した場合、どのように解決すればよいのでしょうか。そこで今回は、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、佐々木一夫弁護士が解説します。

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隣地所有者へ工作物責任に基づく損害賠償請求が可能

本件の場合、隣接する敷地から倒れてきているブロックは、隣地所有者の土地の工作物にあたると考えられます。

 

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害が発生したときには、その土地の所有者がその責任を負うことになります(民法717条)。

 

この場合の瑕疵とは、その工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。たとえばブロックでいうと、倒れないような工夫をしてきちんと保存していれば瑕疵がないといえますが、容易に隣地に倒れてしまうような積み方をして保存していたにすぎないときは瑕疵があるといえるでしょう。本件では実際にブロックが隣地に倒れてしまっていることから保存に瑕疵があったといえるでしょう。

 

相談者は工作物責任に基づいて損害賠償請求をすることが可能です。ブロックが倒れてきたことによって月極駐車場が当面使えなくなり、駐車場代が得られなくなった場合には、その損害を逸失利益として請求できます。ブロックを相談者が重機を使って撤去した場合には適切な範囲内でその費用も請求可能です。ブロックが倒れてきたことにより駐車場の修繕が必要になった場合には、修繕費用も請求できるでしょう。

 

裁判所に訴えを提起して、損害賠償請求をする場合には、相談者にどのような損害が生じたのかについて証拠を提出する必要があります。そのため、利益の毀損がわかる資料や、撤去や修繕の際の見積書などを保管しておくことが大切です。

 

 

佐々木 一夫

弁護士法人アクロピース代表弁護士
遺産相続税理士法人アクロピース代表税理士
東京弁護士会・東京税理士会所属

 

明治大学法学部卒業、明治大学法科大学院修了、弁護士・税理士。相続と不動産を専門とし、10年以上法務と税務の両面から顧客の問題の解決に尽力している。モットーは「誰がなんと言おうとあなたの味方」である。

 

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