(※写真はイメージです/PIXTA)

一般的に、退職金は法律で一律に義務付けられているわけではなく、就業規則や労働契約に基づいて支払い義務が生じるものです。そのため、規定がない会社では必ずしも支払う必要があるとは限りません。とはいえ、安易に拒否すれば労使間の信頼関係を損ない、労働審判や訴訟などの法的トラブルに発展する可能性もあります。経営者としては、退職金請求の法的根拠を正しく理解し、適切に対応することが重要です。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」へよせられた質問をもとに、退職金規定がない場合の退職金の支払いについて、林遥平弁護士が解説します。

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勤続13年の元社員から「退職金2,500万円」を請求された

親族経営の有限会社(年商約5,600万円)の社長を務める相談者。会社には、退職金規定がありません。

 

先日、管理業務で13年間勤務した66歳の社員(年収約1,000万円)が退職。後日、その元会社員から「経理士に計算してもらった」として退職金2,500万円を請求されました。

 

相談者の会社では、数年前に勤続50年の社員に対し、退職金1,300万円を支払ったことがあります。しかし、現在会社には退職金を支払う資金的な余裕はなく、もし支払う必要があるなら、銀行から借入をしなければなりません。相談者としては、できるだけ支払わない方向で話を進めたいと考えています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の3点について相談しました。
 

(1)このような場合、相談者は退職金を支払わなくてもよいのか。

 

(2)このような場合の相談先はどこか。

 

(3)会社が退職金規定を定める場合、どのような点に注意して作成するべきか。

退職金規定がない場合、会社の支払義務は?

退職金は、労働基準法や労働契約法で一律に支給が義務付けられているものではありません。就業規則や退職金規定、個々の労働契約に定めがなければ、原則として会社に支払義務は生じないのです。したがって、本件のように退職金規定が存在しない場合、従業員から請求があっても、必ずしも支払いに応じる必要はない、ということになります。

 

ただし、注意すべき点があります。それは、過去に退職金を支給した実績がある場合、それが「慣行」と評価され、法的拘束力を持つと判断される可能性です。今回のケースでは、50年勤務した社員に1,300万円を支払った例があるものの、これが一律の制度とはいいがたいでしょう。また、元社員が請求する2,500万円の算定根拠も不明確です。これらの点から、直ちに支払義務があるとは考えにくい状況です。

 

もっとも、請求を放置すれば紛争化するリスクがあります。まずは弁護士に相談し、過去の実績や会社の経営状況を踏まえて支払義務の有無を整理し、今後の方針を明確にすべきでしょう。

 

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