点数至上主義…「東大生」すら企業の即戦力として活躍できない。日本の教育の「根本的問題」【東大元総長×SAPIX代表の対談】

点数至上主義…「東大生」すら企業の即戦力として活躍できない。日本の教育の「根本的問題」【東大元総長×SAPIX代表の対談】
(※写真はイメージです/PIXTA)

初の戦後生まれの東大総長として、秋入学構想をはじめとする数々の改革に取り組んだ濱田純一氏。改革は常に順風満帆とは限らず、「失敗」もあったという。秋入学断念の裏側で進められた教育改革の真実、そして濱田氏が目指した「考える力」の育成とは何だったのか。※本記事は、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表・高宮敏郎氏の著書『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したもの。

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東大総長が考える大学の「重要な役割」とは?

濱田

もちろん、東大生でも失敗することはあります。それは当然のことです。自分にまるで経験値がない、知らない世界で失敗することに不思議はありません。先ほどのお話にもあったように、失敗する経験はとても大事です。恐れることなく全力でチャレンジし、失敗もすること。それが自らを問い直すことにつながり、「考える力」を育んでくれます。そうした力や経験を社会がどのように評価するのか。この点は今後の日本の在り方にも大きく関わってくる、非常に重要な問題だと思っています。

 

ちなみに、秋入学への変更を議論している際に、「皆は東大生なんだから、いろいろなことに失敗を恐れずチャレンジすればいいじゃないか」と学生たちによく言っていました。「君らは大学で鍛えられ、しっかり勉強して、非常に恵まれた環境で生きている。だから、失敗してもすぐに立ち直ることができるはずだ」とも話していました。

 

今まで偏差値至上主義の価値観で生きてきたので、高得点を取らなければいけない、つまり、失敗してはいけない、そんな意識で生きてきた学生も少なくありません。それらを払拭することで、社会に出てものびのびと成長し続けることができる。私はそう思っています。

 

決して安楽には過ごせませんが、「自らを問い直す力」=「考える力」を身につければ、意識はおのずから変わっていくものと期待します。そのための場所と機会を提供するのが大学の重要な役割なのだと考えています。

 

 

高宮 敏郎

SAPIX YOZEMI GROUP共同代表

 

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※本連載は、高宮敏郎氏の著書『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること

「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること

高宮 敏郎

総合法令出版

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