歌舞伎町に来た10歳の妹を兄が追い返さなかった理由
15歳で家を出たお兄さんはさまざまな仕事を転々としたあと、歌舞伎町でホストとして働くようになっていた。モカさんは「歌舞伎町」「ホスト」などのキーワードだけを頼りに、なんとかお兄さんの働くホストクラブにたどり着く。10歳の女の子が初めて目にする歌舞伎町はどのように映ったのだろうか。僕はお兄さんから「早く家に帰れ」と言われなかったか聞いてみた。
「言わないですね。両親がやばい人だって知ってるんで」
お兄さんも同じ境遇で育ち、両親から逃げるように15歳で家を出ていた。モカさん曰く、再会した時にお兄さんは店でも人気の売れっ子ホストになっていたという。過酷な生活環境から15歳で飛び出したお兄さんは歌舞伎町にたどり着き、言うなれば歌舞伎町に救われていたのだ。
そんなお兄さんが同じように両親のもとから逃げてきた妹に対して、家に帰るよう促すはずがないし、モカさんを家に帰すよりも歌舞伎町に留まらせる方が安全だと考えたのかもしれない。とにかく、10歳のモカさんは歌舞伎町に入り浸るようになった。
中学3年生のモカさんに学校について尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。
「私、小学校4年生からほとんど学校には行ってないんですよ」
ホストのお兄さんの仕事が終わるのはいつも朝方で、モカさんはそれまでの時間を歌舞伎町の路上やネットカフェで過ごしていた。時には、ホストクラブのバックヤードでお兄さんの仕事が終わるのを待たせてもらうこともあるそうだ。
もちろん警察に補導されて、実家に連れ戻されることも何度もあった。しかし、そのたびに実家を抜け出し、お兄さんのいる歌舞伎町へと舞い戻る。そんな日々を繰り返してきた。結果、歌舞伎町にたどり着いた10歳から今まで、学校にはほとんど行っていないという。
青柳 貴哉
※本記事は『Z世代のネオホームレス 自らの意思で家に帰らない子どもたち』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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