(※写真はイメージです/PIXTA)

現在のお墓を引き払い、新しい場所に引っ越しすることを「墓じまい」といいます。さまざまな理由で墓じまいをする人が増えていますが、今回は弘中純一氏・小谷みどり氏・横尾将臣氏監修の『いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい』(ナツメ社)から、家族が集まるお正月に話し合っておきたい「墓じまい」というテーマについてご紹介します。

お墓ってどんな仕組み?誰が継ぐの?

「お墓は長男が継いだほうがいい」とか「結婚して苗字が変わった娘はお墓を継げない」などと言われますが、そんなことはありません。ほとんどの墓地では、現在のお墓の継承者からみて、六親等以内の血族、配偶者、三親等以内の姻族であれば、誰でも一緒のお墓に入ることが可能で、継承者にもなれるのです。

 

『サザエさん』を例にしてみると、波平さんが現在の継承者だとすると、娘のサザエさんはもちろん、配偶者のマスオさん、甥のノリスケさん、その子どものイクラちゃんも、同じお墓に入ることができます。ですから、かなりたくさんの継承者の候補がいることになります。

 

墓じまいをする前に、親族に相談して継承者を探す

「墓じまい」を考え始めたら、自分だけで悩まずに親族に相談しましょう。もし、継承者が見つかれば、「墓じまい」はしなくてもいいのです。本当に「墓じまい」が必要かどうか、検討する機会にもなります。

 

現在の継承者から見て、六親等以内の血族、配偶者、三親等以内の姻族なら同じお墓に入れるし、継承者になれます。継承者になれるのは長男だけでなく、次男や結婚した娘、従兄弟、姪や甥など、たくさんいます(ただし、墓地で独自のルールがある、親族間の決まりがある場合は、それに従います)。

 

なかなかお墓参りに行けない遠方のお墓を、近くに住む親戚が気にかけてくれていたら、まずはその親戚に相談しましょう。「先祖代々のお墓がなくなるなら、私が継承する」と言ってくれるかもしれません。

 

親戚の中には、「お墓がなくなったら、家が途絶える」と思っている人がいることも。何も相談しないで「墓じまい」をすると、その後、おつき合いがしにくくなります。

 

ところで、継承者はどのようなことをするのでしょうか。まずは、墓地の名義変更をして、年間管理料を払います。さらに、定期的に掃除をするなどの管理維持を担います。寺院墓地の場合、檀家になったり、法要を執り行うなど、お寺とのおつき合いも継承者の役割です。

 

 

監修
小谷 みどり(一般社団法人シニア生活文化研究所 代表理事)

 

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※本連載は、弘中純一氏・小谷みどり氏・横尾将臣氏監修の『いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい』(ナツメ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい

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ナツメ社

空き家法の改正もあり、親亡き後の実家やお墓が心配な人も多いのではないでしょうか。トラブルを避けるには、不動産、相続・贈与、宗教など幅広い知識と目配りが必要です。本書は3人の専門家に話を伺い、親しみやすいマンガを…

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