年々日本で増えている空き家。2014年には「空き家法」が施行され、政府も対策に乗り出しています。空き家問題は決して人ごとではなく、また空き家をそのままにしておくと想像以上にお金がかかることもあります。今回は弘中純一氏・小谷みどり氏・横尾将臣氏監修の『いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい』(ナツメ社)から、家族が集まるお正月に話し合っておきたい実家の空き家問題についてご紹介します。
あなたの実家は大丈夫?空き家は年々増えている
あなたの実家は、両親が亡くなったり施設に入ったりするなどして、誰も住んでいない状態になっていませんか。もし、「そういえば、1年以上帰っていないな」と思ったら、要注意です。窓ガラスが割れていたり、庭の草木が生い茂ったりしているかもしれません。
テレビや新聞、インターネットなどで「空き家問題」が取り上げられることが増えてきました。「税金が6倍になる」と聞いて、「うちは大丈夫?」と心配になっている人もいるかもしれません。
まずは日本の空き家の現状を見てみましょう。実際に空き家は年々増えています。2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、空家法)が施行され、国が対策を始めました。
ところで、そもそも「空き家」とはどんな状態なのでしょうか。空家法では、「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」と規定されています。期間は明記されていませんが、ガイドラインによると1年程度のようです。
5年ごとに発表されている、総務省の2023年「住宅・土地統計調査」によると、2023年の全国の空き家総数は約900万2千戸。2018年に比べて51万3千戸増加しています。そのうち、賃貸や売却をする予定がなく、将来的に管理不全になる可能性がある「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」(以下、放置された空き家)は385万6千戸で、2018年に比べて36万9千戸増加しています。
空き家の問題は日本全体に広がっているので、決して人ごとではありません。あなたの実家が、「放置された空き家」になる可能性はあります。
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一級建築士事務所アルド住宅研究所主宰・宅地建物取引士
国立大学建築工学科卒業後、一部上場企業にて一戸建てハウジング事業の開発プロジェクトに、その後、建築事務所にてマンションの内装プレファブシステムの技術開発に従事する。独立して建築事務所を立ち上げ、住宅の設計、施工、リフォーム、売買などの業務を行う。現在は、設計、不動産売買、投資、賃貸、リフォームなど住まいのコンサルティングをメインに活動。Webサイトで住宅・不動産に関する記事を執筆。ホームページにて、情報発信や住宅に関する無料相談を受けている。
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連載いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい
一般社団法人シニア生活文化研究所
代表理事
1969年大阪生まれ。奈良女子大学大学院修了。第一生命経済研究所主席研究員を経て、2019年より現職。専門は死生学、生活設計論、葬送関連。大学、自治体などで「終活」に関する講義や講演多数。11年に夫を突然死で亡くしており、立教セカンドステージ大学で配偶者に先立たれた受講生と「没イチ会」を結成。著書に『お墓どうしたら?事典』(つちや書店)、『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓 』(岩波新書)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など多数。
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メモリーズ株式会社
代表取締役
ラガーマンであり、サックスプレーヤーという異色の経歴を持つ。祖母が入浴中に亡くなったことをきっかけに、遺品整理の必要性を感じ、遺品整理の専門業者・メモリーズを設立し現在に至る。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介され、話題に。核家族や少子化が進むにつれて、需要は飛躍的に高まっている。「葬儀は肉体的な別れ、遺品整理は精神的な別れ」と考え、遺品を整理するだけでなく、悲しみに暮れる遺族の心も整理する。
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