(※写真はイメージです/PIXTA)

親からの資金援助で夢のマイホームを手に入れる予定だけれど、贈与税が心配……。じつは、一定の条件を満たせば、贈与税が非課税となる制度があります。住宅取得は人生の一大イベントですが、この税制優遇を正しく理解することで、金銭的な負担を大幅に軽減することが可能です。本記事では、生前贈与を活用して住宅資金を受け取る際に適用される「非課税制度」について、わかりやすく解説します。

住宅取得資金贈与の特例が適用される際の“注意点”

住宅取得資金贈与の特例を適用するためには、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与税の申告書を提出する必要があります。

 

この特例を受けるにあたってのいくつかの注意点について解説していきます。

土地のみの購入は、この特例の適用を受けることができない

この特例は、居住することを目的に、贈与により取得した資金で住宅を購入することが要件となっています。土地のみの購入の場合には、この特例の適用を受けることができないので注意が必要です。

住宅取得資金贈与の特例は、相続時精算課税制度との併用が可能

相続時精算課税制度とは、上述したように、贈与時において支払った贈与税を、その後相続が発生した際に、相続税からすでに支払った贈与税を控除するものです。

 

相続時精算課税制度と住宅取得資金贈与の特例を併用した場合、2023年12月31日までの贈与であれば、住宅取得資金の非課税枠+2,500万円までの贈与税が非課税となります。

住宅取得資金贈与の特例の適用を受ける場合、小規模宅地等の特例の適用を受けることができない

小規模宅地等の特例とは、被相続人の事業用宅地や居住用宅地に関し、一定の面積を限度として、相続税を計算するための評価額の80%または50%を減額できる特例です。

 

小規模宅地等の特例は、住宅取得資金贈与の特例の適用を受けるための要件である「住宅の購入」の場合には適用を受けることができないので、注意が必要です。

住宅資金贈与を現金で行ったらどうなる?……無申告の贈与は罰則も

親子間での現金の贈与は、税務署にはバレないのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、親子間で資金贈与した場合、不動産の所有者を親から子へ移すには法務局で登記手続きを行い、新しい登記簿謄本を作成します。

 

法務局では登記があった際に税務署へ報告する決まりとなっており、その報告を税務署が受けて贈与があったかどうかを調査します。

 

つまり、この調査で贈与税の申告をしたかどうかを税務署は把握できる仕組みとなっています。

 

調査時に贈与税を申告していないことが発覚した場合には、下記のようなペナルティを受けることになります。

 

・延滞税

 

・無申告加算税

 

・重加算税

 

延滞税とは、納税が遅れたことにより課される税金、無申告加算税とは、申告期限までに申告書を提出しなかった場合に課される税金、重加算税とは、仮想隠蔽など意図的に無申告や過少申告をした場合に課される税金です。

 

このようなペナルティを避けるためにも、贈与税の申告は必ず実施しましょう。

親の支援で住宅を購入するか、親の家を相続するか、困ったら

親の支援で住宅を購入すべきか、親の家を相続によって譲り受けるかといった場合、前者では住宅取得資金贈与の特例を、後者では小規模宅地等の特例を適用できます。

 

どちらが有利になるかは、住宅の種類や大きさ、受贈者の年齢や所得など、様々なケースによって異なります。このような状況になった際には、一度税理士に相談することをおすすめします。

 

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