今回は、サラリーマン大家が「2棟目の物件」の購入を決断した契機と、その後の悩みを見ていきます。本連載は、不動産投資コンサルタントである桜木大洋氏の著書、『自己資金0円からはじめる不動産投資』(青月社)の中から一部を抜粋し、自己資金ゼロからアパートを取得した経緯から、資産8億円を得るまでに至った不動産投資の成功事例をお伝えします。

2棟目購入のきっかけは、3.11での自宅の被害

2011年3月11日。東日本大震災。

 

千葉県浦安市は、関東地方でも最も大きな被害を受けた地域の一つでした。勤務先の六本木から浦安駅まで帰った私は、様子が一変して静まりかえった市内の道を、自宅まで不安を押し殺しながら歩いて行きました。

 

そしていよいよ自宅へ通じる最後の曲がり角に来た時、その変わり果てた様子に思わず息を飲みました。

 

両側の電柱がぶつかり合うように倒れ、電線が地面につくほど垂れ下がっていました。液状化により地中から溢れ出た水が引いて、泥だけが残った道路は真っ黒に塗りつぶされていました。

 

やっとの思いで家に辿り着き、ドアを開けるとなぜか勢いよく開きます。

 

地盤が液状化で緩んだために、家ごと傾いてしまっていたのでした。後々の測定によると、8.3cm傾いていることがわかりました。

 

工事依頼をすると順番待ちのために、施工までに2ヶ月かかりました。

 

地震保険が下りたのですが、修繕費を差し引いても多少のお金が手元に残りました。「これはきっと、このお金で次の物件を取得し、社会に貢献するようにという神の思し召しなのかもしれない」と考えて、2棟目購入のきっかけとなりました。

 

1棟目を買った不動産販売会社を再び訪れて、博多にある1棟8室の新築木造アパートを購入しました。2011年の12月30日、年末ギリギリの決済でした。

 

東日本大震災直後の浦安市の様子
東日本大震災直後の浦安市の様子

1億円以上の借金を抱えて、ようやく本気で勉強を開始

2012年の年明けは、晴れて2棟のアパートオーナーとして迎えることができました。しかも2棟目は、販売会社が新しいタイプの単身用住宅「メゾネットタイプ」を導入した最初のモデルでした。


2階建ての長屋風のたたずまいが8室連なっていて、1階・2階合わせて1軒分になり、さらに2階がロフト付きなので、居住者はあたかも3階建てに住んでいるかのような住み心地になるわけです。「希少性が高い」というデザイナーズアパートで人気も出て、客付けには当分困らないと想定される物件でした。


実際にその後1年間は一切退去がなく、満室経営ができました。


しかし、アパートを2棟も所有しているのに、何年経っても現金が貯まらない。ですから、次の物件を買い進めることもできません。このままでは永遠に頭金ができず、3棟目を買うことなんて、夢のまた夢です。


「いったい、不動産投資というのはどうやって進めていけばいいのだろう? 勉強しなきゃ」


今思えば恐ろしいことですが、初めて本気で勉強しなければいけないと考え始めたのです。すでに1億600万円の借金を抱えてから。


「まぁ、自腹を切っているわけではないからいいか」とか、「20年経って完済したらあとはまるまる家賃が入るからそれまでの辛抱だ」と思いつつ、いろいろ調べ始めました。

本連載は、2016年2月8日刊行の書籍『自己資金0円からはじめる不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

自己資金0円からはじめる 不動産投資

自己資金0円からはじめる 不動産投資

桜木 大洋

青月社

普通のサラリーマンから“自己資金0円"で資産8億円、家賃年収7500万円を稼ぐ著者の「物件の選び方」「数字の読み方」「融資交渉の秘訣」「行動の原則」など、サラリーマン「だから」できる不動産投資の真髄がすべて書かれてい…

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