今回は、オーナー自らの行動力でアパートの空室を埋めた事例を見ていきます。本連載は、不動産投資コンサルタントである桜木大洋氏の著書、『自己資金0円からはじめる不動産投資』(青月社)の中から一部を抜粋し、自己資金ゼロからアパートを取得した経緯から、資産8億円を得るまでに至った不動産投資の成功事例をお伝えします。
自作のPOPを部屋に飾ってメリットをアピール
実感がわかないまま、新築木造アパートのオーナーになり、最初の課題は1つの空室を埋めることでした。
10月に契約した際、管理会社から「何とか年末までには埋めたいですね」と言われていて、特に心配していなかったのですが、なぜかその1室が空いたままで年を越してしまいました。
当時その物件には「家賃保証」の制度はなく、入居者がいなければ収入はゼロ。
6室中の1室分は6万円ですから、月々のキャッシュフローに大きなインパクトを与えてきます。そこで不動産関係の本、特に満室経営について書いてあるものを読みあさりました。
部屋の中にPOPを置きなさいとあり、さっそく100円ショップで買い揃えました。エアコンやカラーモニター付きドアホン、インターネット使い放題であること、広いロフトや天井が高くて圧迫感がないことなど、自分のパソコンでメッセージカードを作成し、フォトスタンドを使ってオシャレに飾りました。さらにガイドブックまで作り、担当者に渡しました。
そうして6室すべてが満室になりました。
「やる気のあるオーナー」を嫌う管理会社も!?
後から別の管理会社の方に聞いた話ですが、セールスさんの考え方にもいろいろあって、このようにオーナーが客付けのために自ら物件へ足を運んで工夫を凝らすことが「やる気のある大家さん」として好印象を与える場合と、逆に客付けの現場を知らないのに独りよがりの施策を講じて的を外し、「細かいことを気にするうるさそうな大家さん」として受け止められる場合があるようです。
優秀な管理会社ほど、オーナーは経営的な判断をしてくれればよくて、後は私たちに任せてほしいというスタンスのようです。
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すべてを数値化する不動産投資コンサルタント。
1966年 東京・深川生まれ。千葉県浦安市在住。
メーカーに勤務しながら、2009年に新築木造アパートを所得するが、手元に残るお金が年間20万円にしかならず、負債を背負っただけとわかり愕然とする。娘の留学費用が足りないために本格的な不動産投資をスタートする。2012年よりマンション1棟を購入してから、わずか4年間で、「貯金ゼロ、資産ゼロ」で始めて一切手元のお金を使わず、総資産が12億円、家賃収入は1億1,500万円、年間キャッシュフロー2,800万円を築く。
2016年春に、27年間勤めた会社を退職し、不動産コンサルタントとしてスタートする。
「正しい不動産投資を世の中に広げて、家族のために働くお父さんを幸せにする」ために、初心者のための不動産投資アドバイスをはじめ、各地でセミナーを開催する。
買うべきかどうかの判断は、物件を数値化、明確な判断基準を提示することで、あいまいさを排除したコンサルが人気。
著書の『自己資金0円からはじめる不動産投資』(青月社)は、日経新聞に取り上げられ、テレビ出演するなどで話題を呼ぶ。
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連載自己資金ゼロから資産8億円! 不動産投資の成功事例