勤勉な国民性、人口の多さ、若者の比率の高さが魅力
現在、ASEANの中で最も注目をされているベトナム。本連載では、この地で事業や不動産投資を13年にわたって行ってきた経験をもとに、ベトナムで行う事業や不動産投資の魅力や、注意すべき点などについてお伝えできればと思います。
まずはベトナムの簡単な概要から説明しましょう。国名ベトナム社会主義共和国、首都ハノイ。面積約33k㎡(九州を除く日本の面積に相当)、仏教徒(80%)、人口約9340万人(2015年時点、国連人口基金推計)、平均年齢29歳、戦後41年を迎える国です。
中でも人口はASEAN諸国でインドネシア、フィリピンに続き第3位(世界14位)で、人口の60%が30才未満と、若者が多いのもこの国の魅力の一つです。ベトナム人はまじめで勤勉、日本人とよく似ていると言われています。
今、この国がASEAN諸国の中で最も注目を浴びています。
日本からはすでに多数の飲食・小売業が進出
皆さんは東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体が昨年末に発足した事をご存じでしょうか。ASEAN諸国10カ国、約6億3000万人(平均年齢29歳)を擁する巨大市場で、「ヒト、モノ、カネ」の移動が2018年までに完全自由化される見込みです。特に注目されるのは、域内の関税が撤廃されることです。簡単に言うと、アジア版のEUです。異なる点は、通貨の統一がないところです。
この自由化を狙って、日本からの企業進出も急激に増えています。特に多いのはサービス業です。飲食店をはじめ、小売業など日本の大手の進出が進んでいます。
既に出店している日系企業とこれから出店を予定している日系企業をあげると、イオンショッピングモールが4店出店、2020年までにベトナム全土で20店舗を出店する予定。イオン傘下として、コンビニのミニストップ、スーパーのシティマートを含め約70店舗の出店。ファミリーマートも約100店舗を出店、セブン-イレブンは来年進出予定で、10年間で1000店舗の出店を計画しています。
高島屋も2016年7月にオープンするなど、ベトナム人をターゲットにした出店が目立ってきています。もちろん日本だけではなく、近隣のアジア諸国や欧米など、様々な国と地域から企業や人が集まって来ています。
いずれは「インドシナ半島の拠点」に!?
なぜベトナムなのか、色々な理由があると思いますが、地理的要素も魅力の一つです。ベトナムは、インドシナ半島の東側に位置し、半島の重要な出入口として位置付けされています。すでにホーチミン、プノンペン(カンボジア)、バンコク(タイ)を繋ぐ道路の南部経済回廊や、ベトナム、ラオス、タイを横断する東西経済回廊が完成しており、物流も今後大幅に改善されていきます。着実にインドシナ半島の拠点となる準備ができつつあるのです。
以上のように、ベトナムは一国単体としての経済発展の魅力もありますが、今後ますます発展が見込めるASEAN市場の出入り口として大きな注目を浴びています。そして、これからも海外からの企業や人が集まり経済は発展して行くと予想されています。
不動産も、人の流入とともに価値が上がっていくのは、ごく当たり前の流れだといえるでしょう。また、昨年の7月1日の法改正により、外国人や外国企業が直接不動産購入(一部外国人購入規定あり)できるようになったことで、不動産投資が増えています。さらには、整備が進む鉄道インフラ、ASEAN諸国の主要都市と比べて割安な不動産・・・といった点も、実に魅力的であるといえます。
次回からはベトナム人の不動産に関する考え方や購入方法などベトナム人目線からの不動産投資について解説していきます。