失業者増……でも多くの人が「職業訓練には消極的」
2015年から2023年にかけて、ベトナム全国で職業訓練支援を受けた人はわずか25万6,350人で、年間平均にするとわずか2万8,483人にとどまった。
ベトナムの労働市場は、多くの低技能労働者が職を失ったにもかかわらず、転職支援のための職業訓練プログラムを受けることには消極的であるという深刻な課題に直面している。
ハノイの雇用サービスセンターのデータによると、9月に8,500人の労働者が失業手当の承認を受けたものの、職業訓練に参加したのはそのうち204人に過ぎなかった。
センターの副所長であるヴー・クアン・タン氏は、企業が人員削減を行う際、主に低スキルの手作業労働者が対象となり、より高い資格を持つ人々が残される傾向があると説明している。それにもかかわらず、多くの解雇された労働者は職業訓練プログラムに参加せず、失業手当の申請を優先しているという。
失業者はなぜ職業訓練を受けないのか
タン氏によると、現行の職業訓練への財政支援は労働者を引きつけるには不十分であり、訓練期間も短いため、効果を上げにくいのが現状だという。
例えば、南部ドンナイ省ビエンホア市のハー・ティ・ノーさん(木材業界で13年間働いた後に7月に解雇された)は、職業訓練に参加することが現実的ではないと話している。彼女は現在、生活費を稼ぐために臨時の仕事をしている。「新しいスキルを学ぶことが仕事の機会を増やすかもしれませんが、訓練に通う時間がありません。交通費や食費がかさむため、不可能です」という。
同じくビエンホア市出身の元警備員であるレ・トゥアン・ナムさんも、運転免許のコースを受ける予定だったが、高額な費用のため断念したという。「運転免許のコースは約2,000万ベトナム・ドン(約780米ドル)で、支援の上限である900万ベトナム・ドン(約355米ドル)を大きく超えており、手が届きません」と言う。
また、ナムさんのように、料理や裁縫といった比較的費用が安い訓練オプションでは、自分の状況に合わないと感じる人も少なくない。
職業訓練に興味があるが、追加費用に躊躇している人もいる。ビエンホア市のドゥオン・ティ・ゴックさんは、4ヵ月のメイクアップコースを考えたものの、失業後、月々350万ベトナム・ドン(約138米ドル)の失業手当しか受け取っていないため、財政的に厳しい状況だ。
職業訓練支援の現実……失業者が直面する“壁”
雇用の専門家は、職業訓練支援制度の抜本的な改革を求めている。
ハノイの雇用サービスセンターの副所長であるヴー・ティ・タイン・リュー氏は、現在の支援を調整し、交通費や食費もカバーすることで、解雇された労働者が職業訓練プログラムに参加しやすくするべきだと指摘している。
リュー氏によると、職業訓練の支援は、3ヵ月のコースで最大450万ベトナム・ドン(約178米ドル)、3〜6ヵ月のコースで最大900万ベトナム・ドン(約355米ドル)となっている。しかし、生活費や専門的なコースの費用はしばしばこれらの限度額を超えており、失業中の労働者が再訓練を受けて新たな職に就くことが難しくなっている。
労働・傷病兵・社会問題省は、雇用法の改正に取り組んでおり、職業訓練支援の増額、労働者のスキル向上を目的とした支援の拡充、さらに失業手当を受けていない人々への支援提供も検討している。
同省のデータによると、2015年から2023年にかけて、全国で職業訓練支援を受けたのはわずか25万6,350人で、年間平均2万8,483人にとどまっている。
専門家たちは、職業訓練を効果的にするために、失業手当を失業前の6ヵ月間の平均給与の75%に引き上げ、訓練支援の増額とコース期間の延長が必要だと提言している。
雇用法の改正により、解雇された労働者が新しいキャリアに移行しやすくなることが期待されているが、現状では多くの人々が職業訓練を受けるためのさまざまな障壁に直面している。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】