(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年4月から不動産の相続登記が義務化されました。相続登記をするべき理由は、「義務化されたから」「ペナルティができたから」だけではありません。放置することで直面するリスクやデメリットは、義務化される前から存在しています。本記事では、事例とともに、相続登記を放置することによるリスクについて司法書士の近藤崇氏が解説します。

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将来の2次・3次相続のリスクを増やさないために

もし仮に夫の死亡時に、妻とそのとき存命の兄弟A~Dとのあいだで遺産分割や相続登記を怠らずに進めていたらどうだったでしょうか。仮定の話になってしまいますが、もし妻の親族の言うとおり、本当に当時はA~Dともに心よく妻が夫の財産を相続することに協力してくれたのだとしたら、そしてきちんと相続登記をしていれば、今回の相続ではここまでの手間がかかることはなかったと思われます。

 

相続登記をしないということは、その時間的な損失・経済的な損失をただ先延ばしにしているだけではなく、将来に発生するであろう2次・3次の相続のリスクを増やしているともいえます。人は誰しも間違いなく死を迎えますので、これらのリスクが発生する可能性はありますが、減ることはありません。ただでさえ面倒な多人数の相続に加えて、これが2回3回と積み重なることで、その手間もコストも雪だるま式に増えてしまいます。

 

今般、不動産の相続登記義務化される背景には、こうした複数回の相続発生による複雑化を未然に避けようという狙いもあります。過料などのペナルティを避けることはもちろんですが、問題の先延ばしをせず、自らの大切な財産である不動産を承継していくためにも、不動産登記については速やかに準備を進めたほうがいいことはいうまでもでもありません。

 

また、こうした対応を速やかにしたほうが、結果的に全般的な手間やコストも低く抑えられるのではないでしょうか。相続が発生したら、まずは士業や金融機関等、お近くの専門家などに相談されることを強くおすすめします。

 

 

近藤崇

司法書士法人近藤事務所 司法書士

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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