※画像はイメージです/PIXTA

相続税を計算するとき、重要なのは土地の評価額。計算では「奥行価格補正率」が大きく関わっており、なんと最大20%も減額できる可能性も。税理士が解説します。

■ケース③ 三角形の土地の場合

[図表15]
[図表15]

 

間口距離は20mであることから、上の図のように想定整形地を作成して、奥行距離を求めます。

 

不整形地は、次のいずれか短いほうの距離を奥行距離とします。

 

・土地の面積500㎡÷間口距離20m=25m

・想定整形地の奥行距離:50m

 

25m<50mであることから、この土地の奥行距離は25mとします。

 

■ケース④ 旗竿地の場合

 

[図表16]
[図表16]

 

ケース③と同じ考え方で奥行距離を求めます。

 

・土地の面積750㎡÷間口距離5m=150m

・想定整形地の奥行距離:50m

 

150m>50mであることから、この土地の奥行距離は50mとします。

 

■ケース⑤ 台形の土地の場合

 

[図表17]
[図表17]

 

ケース③と同じ考え方で奥行距離を求めます。

 

・土地の面積800㎡÷間口距離20m=40m

・想定整形地の奥行距離:50m

 

40m<50mであることから、この土地の奥行距離は40mとします。

 

奥行距離の正確な測定は困難

以上の例のような不整形地でも、間口と奥行の長さが分かれば、奥行価格補正率を使った土地の評価ができます。

 

しかし、土地が正確に計測されていないことには奥行価格補正はできません。さらに、不整形地補正率など土地の形状に応じた補正率はほかにもあり、それらの複数の補正率を間違いなく使うことは素人には非常に難しいものです。

 

専門家の力を借りずに土地を正しく評価し、税額を計算して、10ヵ月以内の申告期限までに相続税の申告を間に合わせることは、ほぼ不可能といってもよいでしょう。

倍率地域の土地は奥行価格補正の必要なし

倍率地域の土地は、奥行価格の補正は必要ありません。倍率方式の評価に使用する固定資産税評価額は、奥行価格補正など土地の形状による価値の減少をすでに織り込んでいるからです。

 

倍率方式で評価するときに奥行価格補正率をかけると、正当な評価額から減額することになってしまいます。間違えないように気をつけましょう。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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