※画像はイメージです/PIXTA

相続税を計算するとき、重要なのは土地の評価額。計算では「奥行価格補正率」が大きく関わっており、なんと最大20%も減額できる可能性も。税理士が解説します。

奥行価格補正率の判定

あなたの土地の奥行価格補正率はどれぐらいになるのか、判定方法を紹介します。土地の地区区分(どこにあるか)と奥行の長さが分かれば、奥行価格補正率表から奥行価格補正率は簡単に判定できます。

 

■地区区分の調べ方

地区区分は図表2のように、路線価図に記載されている路線価を囲む図形の種類で示されています。図形がなければ「普通住宅地区」となります。

 

[図表2]路線価図で示される地区区分
[図表2]路線価図で示される地区区分

 

図表3で示すように、路線価の値を囲む図形が黒く塗られていたり、図形に斜線が引かれていたりする場合があります。これらは、道路沿いの地域や、道路の片側の地域にのみ地区区分を適用する場合の表示方法です。

 

[図表3]地区区分の範囲を示す場合
[図表3]地区区分の範囲を示す場合

 

上の例は普通商業・併用住宅地区について示した場合ですが、他の地区区分についても同様の方法で表示されます。

 

■奥行価格補正率表を見る

土地の地区区分が分かれば、奥行価格補正率表で奥行価格補正率を判定します。図表4の奥行価格補正率表から補正率を求めます。

 

[図表4]奥行価格補正率表
[図表4]奥行価格補正率表

 

図表4に示したとおり、奥行価格補正率は同じ奥行の長さでも地区区分によって異なります。大きなビルや工場を建てる場合と戸建て住宅を建てる場合では、適切な奥行の長さは異なるからです。

 

例1で、奥行価格補正率の判定方法を具体的にみていきます。

 

例1図表5の土地A、Bについて、奥行価格補正率表で奥行価格補正率を判定します。路線価は200千円(=20万円)、地区区分は「普通住宅地区」であるとします。
[図表5]
[図表5]
どちらの土地も地区区分は「普通住宅地区」であるため、奥行価格補正率表の「普通住宅地区」の列に着目します。

 

[図表6]
[図表6]

土地Aは奥行距離が10mであるため、奥行価格補正率表の「10以上12未満」の行と「普通住宅地区」の列の交点にある「1.00」が土地Aの奥行価格補正率となります。
 

土地Bは奥行距離が25mであるため、奥行価格補正率表の「24以上28未満」の行と「普通住宅地区」の列の交点にある「0.99」が土地Bの奥行価格補正率となります。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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