誇り高き「銀行員」じゃなくなる前に…苦節20年、年収1,000万円の49歳「出向」目前課長、“いましか買えないもの”を手に入れた末路【元メガバンカーの助言】

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(※画像はイメージです/PIXTA)

給与は頭打ち、ポストも減少。気力の落ちた40~50代の銀行員のもとへ届くセカンドキャリア研修、通称「たそがれ研修」の通知。将来の収入減への不安から、収入を増やそうと努力した結果……。本記事では、事例とともに不動産投資の注意点について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が詳しく解説します。

半年後に発覚した衝撃事実

購入してから半年が経った。購入した不動産は空室となり、ローン返済などの経費が月約10万円の出費となっている。当初の賃料と同額である11万円で募集を依頼しているが、引き合いがほとんどない。

 

休日に近隣の不動産業者へ出向き、賃料相場を確認したところ、よくて月額8万円とのことであった。また、売却についても査定を依頼したが、こちらについても2,000万円で売れれば御の字とのことで、購入当初にもかかわらず諸経費を含めて600万円のマイナスとなっている。また、内装についても手入れがまったくといっていいほどなされておらず、募集にあたり原状回復工事で100万円程要した。

 

小林は一連の取引を振り返るため、不動産に詳しい同僚に相談をした。同僚によれば、北田の関連する不動産会社が所有していた物件を、相場より高い価格で購入している可能性があること、入居者についても賃料の吊り上げを目的として北田の関係者が相場より高い賃料で借りていた可能性があることを指摘された。

 

不動産の登記簿謄本を慌てて確認したが、指摘のとおり小林の購入する直前に不動産会社の登記があった。抵当権設定額を確認したところ1,600万円であり、仮に満額調達をしていたとすれば1,000万円近く高値で購入していることに気が付いた。

 

また、当該不動産会社が購入した時期は、まさに北田から最初によい物件情報が入ったと連絡があったタイミングと一致しており、同僚の見立てどおりであると改めて認識した。

 

小林は北田へ連絡を入れるが、「購入の意思決定をしたのは小林さんであり、私は購入のための対応をしたに過ぎない。セミナーにおいても不動産投資のリスクについてあらかじめ説明していた」との一点張りであり、最近は電話に出ることもなくなった。

 

保険を解約、車は売却…

小林は家計における支出の見直しのため、保険の解約や自家用車の売却などを進めているが月10万円の支出を埋めるほどの効果はなく、賃料を8万円に引き下げのうえ募集を行い、不本意ながら止血することにした。

 

日ごろ、小林は営業成績を上げるために思考を巡らせていることから同じ営業職である北田が案件を成約させるためにとってきた行動について、不自然であると思う箇所は多々見受けられた。冷静に考えれば「収入の確保」の一点に目がくらみ、冷静さを欠いていたことに深く反省をした。

初対面の担当から「よい物件」が来るわけがない

年収減少の将来が見えている一方で、支出の増加も増えるという状況においての事例を示した。本件では不動産投資により将来下がる収入を補おうと奮闘するが、収入減少の焦りとなんとなく知っているから大丈夫であろうとの慢心が、結果として心のスキやさらなるマイナスを作ってしまう事態に陥った。

 

不動産投資においては、相応の知識や経験が不可欠であると考える。正しく進めるにあたっては以下の取り組みが必要であったと思う。

 

・自ら不動産の賃料相場や売買相場を調べること

 

・ローンについても自らいくつかの金融機関に打診すること

 

・不動産収支について自ら調査のうえ算出しておくこと

 

・詳しい知人や同僚などに事前に意見を求めること

 

・そもそも初対面の担当から「よい物件」が来るわけがないとの認識を持つこと

 

・自ら能動的に活動しさまざまな物件を見て不動産に対するメリット、デメリットを腹落ちさせておくこと

 

・購入を進めるにあたり不自然な点がいくつもあったはずであり、その場で立ち止まり焦らずに都度確認をすること

 

・不動産投資においては日ごろから知識と経験を積み、その先に成功があるとの認識を持つべきであること

 

・客観的な基準を定めて冷静に取り組みすること

 

 

小俣 年穂

ティー・コンサル株式会社

代表取締役

 

<保有資格>

不動産鑑定士

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

宅地建物取引士

 

 

 

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