「時期」を見て売買するのが不動産投資の基本
金は天下の廻りものという真実を言い当てた言葉があるように、金融緩和があって初めて経済は活性化します。
政府の借金が膨れたので金融引き締めをしますという政策はますます国家を不安定な方向へ持って行き、その政権はすぐに寿命を迎えます。
誰でもそうでしょうが自分のポケットにお金があれば商品を購入しますが、ないときには我慢するでしょう。市場経済はミクロの経済を反映しているだけです。ですから、インフレまで行くのは問題ですが、徐々に緩和を進めることは決して経済政策において間違ってはいないということです。度が過ぎればどんなものでも問題がありますが必要な措置です。
この流れを利用しながら、好況時には持ち駒を高く売り抜け、不況時には現金の続く限り、安くなった物件を購入し続けるというのがベストな不動産投資の方法です。通常でも売却はできますが時期を見るのは当然です。
住宅物件の価格に消費税はかかる場合とかからない場合があります。購入する住宅物件の所有者、つまり売主が一般の消費者か不動産会社等なのかで決まります。一般消費者の場合、消費税は課税されません。所有しているだけで特別に税金がかかることもありますが、これは時期的なもので放出を促す政府の方針変更によるものです。
当然、所有者であるあなたがその時にまだ値が上がると思えば、なんらかの手段をとって、売却を遅らせるということは許されるでしょう。所有地の面積を合算して一定の面積を超える場合は、固定資産税を1・5倍掛けますよという特別土地保有税というものがありましたが、その土地の上に何らかの事業の形跡があれば逃れられた時もあります。
いずれにしても条件が出ますのでその範囲で判断していただくのは問題ないでしょう。よく、法人として不動産を売却した場合、総合課税によって相当な緩和策を受けているにもかかわらず、さらに税金を減らしたいと思って不要なものまで購入するような方法で税金を減らそうという人がいますが、これは追徴課税を受けることが多いので無駄なことはしないようにしましょう。
脱税とは本来、納めるべき税金を様々な手段講じて納めず、自分が思うままに使い、国家をだます行為ですから大罪です。脱税は絶対にしてはいけません。不動産管理業なら、最低でも三年は黒字を続ける、これは特に法人としての今後の在り方を示すものです(赤字でも債務超過でなければ問題ありません)。
銀行から融資の申し出があるまで「借金」はしない
不動産投資業であれば私を含めて、運営上資金を借り入れて法人支払いに備えるというようなことはほとんど発生しないのですが、間違って別の分野に手を出して万が一失敗することがあれば、そのような資金を必要とすることになります。
通常ですと利益の方が大きいので購入時の金額に対する手数料と売却までの利子の支払いで税引き前利益の大半が残ります。一般的な事業体ですとどうしても利益が小さいことに加えて、支払金額が大きくなる傾向にあり、収入が現金化できるまでの繋ぎに運転資金が必要になるということです。
ここで資金が間に合わないと、赤字に転落するということですが、あくまでも決算期に間に合えば赤字にはなりません。赤字は倒産する可能性を示すわけではありませんが、何期も続けば金融機関の信用度は下がりますし、運転資金を申し込む際にも相手されないかもしれません。いわゆる債務超過です。必ず、黒字になるような経営を目指してください。
銀行から融資の申し出をしてくれるまで借金はしない。銀行はメインの銀行が一行あれば十分です。むしろ応援をしてもらうには的を絞って相対で付き合いましょう。私も多くの銀行担当者と面識がありますが、支店長との付き合いからあまり大手の銀行にはしないようにしています。
バブルの時代は都市銀行の支店長を相手にしていましたが、今は自分の展開範囲を考えて地場の融通の利く金融機関にお世話になっています。融資は自分の力を最初に示して、じっくりと話を聞いてもらうことから始めます。一度でも失敗すれば、日本の場合は最後まで傷となります。
銀行からの信用を失う「節税」の画策
自力でどれだけの資金を自社の口座に積み上げることができるかということで信用度は大いに違ってくるのです。私の場合は自己資金ゼロで土地だけの案件を動かして5千万円、収益物件を他人に譲り、コンサルタント契約をして2千万円、通常の仲介で3億円のビルを動かして2千万円という資金をもとに次の購入資金を融資してもらいました。
融資する側を安心させることが将来につながります。思いは通じるものです。ここまでくれば当然ですが融資する方も絶対にとりっぱぐれがないことが分かっていますし、どれだけの能力を持った経営者かということも理解していますから、十行の銀行が決算書を見れば、すべての銀行ともこちらの言い分を聞いてくれる状態が出来上がっています。
実績からいうと5億円までは引受先の購入申込書で用意してくれるのに二年くらいで到達すべきでしょう。最終的には自己資本担保で短期借入20億円までは、決して不可能ではないと思います。
融資機関を十分安心させる融資の受け方こそが今後の展開を有利にします。最初から嘘八百並べて融資を受ける気などありませんから、公明正大に相対すべきです。隠し事などあっては信用されません。個人的な借金額も社長勘定の中身も説明しておきます。何よりも大切なことは十分な納税の態度です。
納税を節約しようと画策する人をよく見かけますがこれは売上高を低くしてしまうことに加えて税金を払った後の純粋な利益額をスポイルする処方に他なりません。
例えば、一個人企業が年間5千万円の納税をしているとなれば税引き前の利益、売上高は、ほぼその額の倍以上はあるということになります。無駄な節税は国税庁の目に留まることが多いのです。重箱の隅をつつかれ、ひっくり返されて、ついには追加徴収される羽目になるのが落ちですし、そういう法人には融資する銀行はありません。
なぜなら、銀行は日本政府そのものですから、反日工作をする法人は日本政府の敵ということになり当然、融資など受けられるわけがありません。