看護師への負担増につながる「病院の受け入れ体制」の変化
また、病院の受け入れ体制もここ20年ほどの間で変化してきており、それが複数の疾患を抱えた患者の受け入れを困難にしているといえます。というのも、病院の経営サイドは、利益を確保するためにはいかに効率よく空床を活用し病床稼働率を上げるかを考えなくてはならず、その結果、混合病棟化が年々進んでいるのです。
混合病棟にすることで、良好なベッドコントロールが可能になる、つまり効率的にベッドを割り当てることができるため病床稼働率が上がります。これは病院側には経営上のメリットになりますが、看護師にとっては、診療科別病棟と比べてさまざまな疾患の患者を担当することになるので業務が複雑化し、負担が増える要因となります。
しかし業務負担が増えるからといって、看護の質を落とすわけにはいきません。また、自分が慣れている領域、そうでない領域によって、患者への対応に差がつくこともあってはなりません。万一そのようなことが原因で医療事故があっては、取り返しがつかないことになります。
多疾患併存の患者が増えたことにより、看護師は複数の診療科について勉強し、疾患を考慮した看護技術や検査などに関する知識を身につける必要があります。多くの診療科について経験を積むことは看護師自身の能力アップ、キャリア形成に役立つので良いことです。しかし、ただでさえ多忙な看護業務のなかで、ほかの診療科のことも勉強する時間をとり、患者対応を行っていくのは肉体的、精神的にかなり負担がかかります。
努力し積み上げたものが、突然の異動で水泡に帰す
そうやって努力してきても、病院の都合で突然異動を命じられることはよくあります。病院によっては、できるだけ看護師のキャリアを考慮してくれるところもありますが、多くの施設ではそこまでの余裕がないため、今いる部署とまったく専門性の異なる部署に異動してほしいと言われることのほうが多いと思います。
そうなると、どんなに今の部署でキャリアを積んでいたとしても、それがまったく通用しない部署で一から勉強し直し、ということにもなりかねず、モチベーションを保つのは容易ではありません。頼りにされているからこその異動命令であったとしても、新しい場所で、自分よりあとから就職し以前からその部署にいる後輩に引け目を感じるのもストレスとなり、それで看護師の仕事自体が続けにくくなってしまうというケースも少なくありません。
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