「国立がん研究センター」の若尾文彦医師

日本人が一生のうちに2人に1人が診断されると言われる「がん」。1981年から日本人の死因第1位を占めていますが、早期発見と早期治療によって「治せる病気」になっています。さらに、がん患者の約3割は「働く世代」(15~67歳)でかかっており、治療をしながら働き続ける人も少なくありません。一方で、まだまだ「かかったら死ぬ病気」「怖い病気」というイメージもあることも事実。残念ながら命を落とす人もいますが、「がん情報サービス」などを提供する「国立がん研究センター」(東京都中央区)の若尾文彦医師は「がんを宣告されたからと言って慌てて仕事を辞めないでほしい」と訴えます。実は、この記事を書いている記者(41歳)もがんサバイバーで、治療をしながら仕事をしています。人生100年時代と言われる令和の時代、それぞれの事情を抱えた私たちが少しでも自分らしく働いていくためには? 「がんと仕事」をテーマに取材して見えてきた、令和の働き方についてお届けします。(THE GOLD ONLINE編集部・堀池沙知子)

「自分の状態を伝えること」は決して“わがまま”ではない

がんに限らず、さまざまな事情を抱えた社員のそれぞれの強みを活かしていくために、働く側が意識したいことは?

 

「患者自身も自分の状態と希望を伝えることが大事」と若尾医師。「がんになる前と変わらずに職場とうまくいくやっていける人はコミュニケーション能力が高いというか、自分の状態を会社や主治医にしっかりと伝えている人が多い印象です。例えば、自分がやっている仕事は事務作業だけなのか、荷物や重い物を持つ作業が発生するのか? 通勤時間は長いのか? など自分についての情報をなるべく詳しく伝えられれば医師も『それならこの日から復職できそうですね』と判断ができます。会社側にも今後の治療の見通しや自分がどんなふうに働きたいかの希望を伝えることで、全てを叶えることは難しくても出勤時間を少しだけずらすなどの柔軟な対応が可能かもしれません」

 

記者自身も投薬で抗がん剤治療を行っている最中ですが、時々電車での通勤がしんどいと感じることがあります。ただそれを会社や周りに伝えるのは「わがままなのだろうか?」と躊躇(ちゅうちょ)したことも。若尾医師は「自分の状態を相手に伝えるのは決して“わがまま”ではありません」とキッパリ。少し気が楽になりました。

 

最後に若尾医師にがんと生きていくことが当たり前になった時代で大事なことを聞きました。

 

「がんはもちろん他の疾患にかかっている人、子育てや介護に従事している人など、それぞれの人がそれぞれの事情を抱えながらも自分らしく働ける、生きていけるのが多様性のある社会だと思います。そしてそんな社会を下支えするのは最新の正しい情報です。ネットにはさまざまな情報が溢れていますが、古い治療や保険外の高額な自由診療、科学的に効果が確認されていないものなど数多く存在します。

 

『がん情報サービス』はじめ相談支援センターなど正しい情報を検索したり、相談できたりする場所があるので、まずは知っていただいて利用していただければと思います」

 

参考

※『がんになっても安心して働ける職場づくりガイドブック』(国立がん研究センター)

 

『がん情報サービス』/https://ganjoho.jp

 

全国のがん相談支援センターを案内する相談窓口「がん情報サービスサポートセンター」

(ナビダイヤル0570-02-3410 平日10時から15時)

 

※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

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