大谷選手がホームランを打った日の日経平均株価上昇割合(株価変動比率調整済み)は6割超
9月19日(日本時間20日)にマイアミのローンデポ・パークで行われたドジャース対マーリンズの試合は20-4で、ドジャースが勝利しました。大谷翔平選手は「1番・DH」で先発出場し、ホームラン3打席連発を含む6打数6安打10打点2盗塁の大暴れ。メジャー史上初の「50-50」からの「51-51」を達成しました。また、ドジャースは12年連続プレーオフ進出を決めました。
マーリンズの本拠ローンデポ・パークは昨春WBC決勝が行われた球場で、大谷“投手“がマイク・トラウト選手を空振り三振に仕留め、日本を世界一に導いた思い出の地です。その球場で新たな球史を刻みました。また、23年9月19日は2度目の右肘手術を受けた日で、そのちょうど1年後、「51-51」を達成したことになります。
大谷選手はホームのドジャースタジアムに戻った翌日の20日のロッキーズ戦で「52-52」を達成し、22日(日本時間23日)のロッキーズ戦で「53-55」に到達しました。
大谷翔平選手のメジャー史上初の「50-50」達成は、多くの人々に元気と勇気を与えたと思います。「50-50」からの「51-51」を達成した20日(日本時間)の日経平均株価は前日から568円58銭上昇しました。
今年は、9月23日現在、大谷選手がホームランを打った日に、日経平均株価が上昇したのは16回、下落したのは11回、土休日が22回になり、大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価上昇割合(上昇回数÷(上昇回数+下落回数)×100(%))[土休日を除く]は59.3%でほぼ、6割になりました。
エンゼルス時代の最近3年間の大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価上昇割合は21年34.5%でしたが、「読売新聞スポーツ世論調査」の好きなスポーツ選手第1位になった22年は52.9%に上昇。大谷選手1位獲得票-2位獲得票の票差が366票と22年の232票から増加した23年は、ホームラン打った日の日経平均株価上昇割合が65.5%に上昇していました。なお、24年の票差は558票です。
最近4年間のシーズン中(3月末から9月末で計算、24年は20日現在)の日経平均株価は上昇した年が21年・23年、下落した年が22年・24年とマチマチです。
上昇基調の年は上昇割合が高くなり、下落基調の年は上昇割合が低くなりやすいと思われ、この影響を除去するために、株価変動比率調整済み・日経平均株価上昇割合(上昇割合÷3月末から9月末(2024年は20日)日経平均上昇比率)を求めました。
23年は65.5÷1.136で57.7%、24年は59.3÷0.934で63.5%になります。今年は、大谷選手の活躍が日経平均株価にとって、明るい材料になっているようです。
「最速大関昇進」は「景気拡張局面」の予兆!? 意外な関連性
2000年6月7日生まれの24歳、関脇・大の里(二所ノ関部屋)が秋場所で13勝2敗となり、2度目の優勝を手にしました。同一年に関脇以下の力士が2度優勝するのは92年初場所・秋場所の貴花田以来です。大関昇進目安を1つ上回る三役で3場所34勝を挙げ、大関昇進を諮る臨時理事会の開催が決定し、9月25日に「大関・大の里」が誕生することになりました。
初土俵から所要9場所での昇進となれば、戦後では豊山と雅山のともに12場所を抜いて最速となります。大関昇進直前の3場所が12勝・12勝・13勝と連続して好成績。豊山の大関昇進は昭和38年(1963年)1月場所後で、オリンピック景気の拡張局面でした。
雅山の大関昇進は平成12年(2000年)5月場所後で、こちらも景気拡張局面でした。国技の大相撲で、将来有望とみられる若い力士の活躍は世の中を元気づけ、景気もよくなるのでしょう。今回の大の里の最速の大関昇進からみて、いまの景気は拡張局面といえそうです。
優勝を決めたのは、秋場所14日目の大関豊昇龍との結びの一番で、懸かった懸賞本数は制度の上限とされる60本に、東京開催場所だけ当日のファン投票第1位に贈られる森永賞を合わせた61本でした。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は取組に勝って61本の懸賞を2度受け取ったことがありますが、弟子の大の里も61本の懸賞金の束を受け取りました。
秋場所千秋楽のNHK優勝インタビューで、正月の地震に続き、豪雨被害で大変な地元の石川県について聞かれると「大変な状況になっているのを昨日ニュースで見てびっくりした。絶対優勝を決めて明るい話題を届けたいと思っていたし僕の優勝で元気になってくれれば」と話しました。また、大関昇進が確実になったことが伝えられると「たくさん稽古をして上に向けて頑張りたい。強いお相撲さんになるために日々頑張りたい」と意気込みを示しました。
「大相撲秋場所懸賞本数2,455本」で史上最高。前年比は+5.6%
大相撲秋場所・懸賞事前申込本数は、2,628本でした。昨年秋場所前の9月8日に当時の芝田山広報部長が「コロナ前の水準に戻ってきている」として発表した事前申込本数は2,154本だったので、年6場所全すべてを通じて今年は過去最高でした。
秋場所は、実績も過去最高だった昨年同場所の2,325本を更新し2,455本になりました。企業収益の好調さ、広告費の増加を示唆しているといえるでしょう。なお、前年同場所比は+5.6%と、7場所連続前年比増加となりました。
秋場所優勝の関脇・大の里、獲得懸賞は277本で第1位に
今年の秋場所で一番多く懸賞を獲得したのは、優勝した関脇・大の里の277本で2人の大関を上回りました。第2位は大関・琴桜の265本、第3位は大関・豊昇龍の253本でした。
24年のJRA「売得金」累計前年比は、13年連続増加に向けて順調推移
JRA売得金・前年比と名目GDP・前年比の平成・令和の34年間の相関係数は0.71です。景気がよく収入が伸び、懐具合がいいときは競馬の売得金も伸びるようです。JRA売得金は昨年まで12年連続で前年比増加が続いています。
今年のJRA売得金・年初からの累計前年比は、プラス基調は維持してきたものの年初から伸び率が6月初めまで鈍化傾向で、6月2日と6月9日時点では連続して+0.4%と今年になっての最低の伸び率になり、もたついていました。
しかし、そこから徐々に持ち直し、9月16日までの年初からの累計前年比は+1.5%になり、13年連続前年比増加に向けて順調に推移しています。こうしたさまざまな身近なデータは景気回復を示唆していると思われます。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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