自殺者数が「初の2万人割れ」…完全失業率との相関にみる減少要因
自殺の原因には経済・生活問題も多く、完全失業率と相関があります。自殺者数の前年同月比は23年11月から25年12月暫定値まで26ヵ月連続して減少しています。
自殺者数の25年12月暫定値・前年同月比は▲1.2%のマイナスになりました。11月の▲9.5%からは8.3ポイント減少率が縮小しています。確定値段階で前年同月比マイナスが維持できるのか注目されます。
自殺者数の前年同月比は、23年7月▲0.5%、8月+2.4%、9月▲2.6%、10月+5.4%と減少と増加を繰り返しました。その後、
23年
11月▲9.4%、12月▲0.6%
24年
1月▲9.8%、2月▲7.6%、3月▲6.9%、4月▲3.2%、5月▲2.6%、6月▲4.0%、7月▲4.6%、8月▲11.1%、9月▲9.9%、10月▲12.2%、11月▲1.8%、12月▲12.9%
25年
1月▲3.0%、2月▲9.2%、3月▲12.3%、4月▲9.4%、5月▲5.2%、6月▲2.1%、7月▲8.3%、8月▲6.3%、9月▲1.8%、10月▲2.2%、11月暫定値▲17.2%
と推移しています。25年11月の前年同月比の減少率は暫定値の▲17.2%から▲9.5%へと減少率が縮小しました。
この結果、警察庁「自殺統計」による2025年速報値段階の自殺者数は1978年の統計開始以来初の2万人割れ、1万9,097人になりました。警察庁「自殺統計」の自殺者の定義は、日本における日本人および日本における外国人の自殺者数です。少ない順に並べると、2025年1万9,097人、2019年2万169人、2024年2万320人、1978年2万788人、2018年2万840人の順になります。
2025年自殺者数1万9,097人の男女別内訳は、男性1万3,117人、女性5,980人でした。都道府県別で自殺者数が最も多かったのは、東京都の2,117人、2位は神奈川県1,195人、3位は愛知県1,189人。最も少なかったのは、鳥取県の57人という結果です。
「失業率」と「自殺」の強い相関、経済動向が救った中高年男性。一方、小中高生は過去最多を更新
1月30日に発表される25年の失業率は2.5%になることが確実と予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第2位までみると、24年1月から11月までの平均は2.50%です(25年1月分発表時に季節調整替えが行われます)。
12月を1.95%から3.14%までの数字で仮置きすると、小数点第1位までで求めた25年の失業率は2.5%になることがわかります。
自殺の原因には経済・生活問題も多く、1978年から2025年までの48年間の完全失業率(25年を2.5%と仮置き)と自殺者数(警察庁)の相関係数は0.91と完全一致の1に近い強い正の相関があります。24年と25年の自殺者数の殿年比減少傾向と、24年と25年の失業率が2.5%と19年2.4%以来の低水準という動きになっていることとは整合的といえるでしょう。
マスコミ報道によると、厚生労働省は1月29日、警察庁の統計を基にした2025年の年間自殺者数(暫定値)についての記者レクで、「1978年の統計開始以来、初めて2万人を下回った。ただし、小中高生は532人で過去最多を更新した。確定値は3月に公表される」、「人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は15.4人」と示しました。そして「中高年男性の自殺が減少しており、事業不振や負債を動機とする件数も減っている。経済動向が影響した可能性がある」との分析を発表しました。
*警察庁「自殺統計」は日本における日本人および日本における外国人の自殺者数。
*厚生労働省「人口動態統計」は日本における日本人のみの自殺者数。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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