26年1月の物価上昇判断DIは85.2へ低下…「上昇する」回答は40%台に
消費者マインドアンケート調査は5段階の評価の回答なので、景気ウォッチャー調査と同じ手法で物価上昇判断DIをつくることができます。物価上昇判断DIは、調査開始の16年9月から22年1月までは60台・70台で安定推移していましたが、ロシアがウクライナ侵攻した月の22年2月調査以降、物価上昇判断DIは80台・90台で、物価が上昇するという見方が強い状況が継続しています。
22年10月に90.4をつけたあと、80台後半の高水準での推移が続きました。23年は6月に90.7をつけています。そこから振幅をともないつつ、24年9月の80.3まで一旦低下しましたが、反転上昇傾向になり、25年2月に90.2と20ヵ月ぶりの90台を記録しました。
25年3月以降は80台で推移。26年1月は85.2と25年2月の90.2から振幅を伴いつつ緩やかですが、下降傾向にあります。25年12月の86.0からは0.8ポイント低下しました。
回答の内訳比率をみると、26年1月は「上昇する」が48.5%で、25年12月の55.2%から6.7ポイント低下しました。24年10月の46.1%以来の40%台だった25年11月の44.4%以来の40%台になります。
1月の暮らし向き判断DIは40.1と4ヵ月連続上昇…16ヵ月ぶりに40台回復
暮らし向き判断DIは、2025年4月は25.4でしたが、5月28.0、6月30.4、7月33.6、8月は38.2と4ヵ月連続上昇。8月は24年12月の39.0以来の水準になりました。しかし、9月は32.0へと5ヵ月ぶりに低下しましたが、20台に戻ることはなく30台は維持しました。その後は、10月35.0、11月37.7、12月39.4、1月40.1へと4ヵ月連続上昇し、26年1月は24年9月41.0以来16ヵ月ぶりの40台に戻っています。
野菜・ガソリン価格の低下や政策期待などで、暮らし向き判断が改善
消費者マインドアンケート調査の暮らし向き判断DIと物価上昇判断DIの相関係数について。16年9月から21年8月までの最初の5年間は0.01と無相関でしたが、21年9月から26年1月までの最近の4年5ヵ月間では▲0.656のマイナスで逆相関になっています。
25年1月から25年12月までの1年間は、物価上昇判断DIが80台・90台の高水準に上昇。暮らし向き判断DIは20台・30台の低水準で物価上昇判断が暮らし向き判断の足枷になる状況が継続していました。しかし、26年1月では物価上昇判断DIは80台ながら、暮らし向き判断DIは40台まで改善しています。
26年1月調査では、足元の生鮮野菜価格の落ち着き、先行きのコメ価格の低下見通し、ガソリン価格が暫定税率廃止で低下したこと、政府の物価対策などへの期待が出て、物価上昇判断にやや落ち着きがみられ、暮らし向き判断が改善したように思われます。
なお、将来的に日銀が目指す物価目標である消費者物価指数前年比+2%が安定的に実現した場合、物価上昇判断DIは全員が「やや上昇」を選択するときの75.0程度になることが期待されます。
1月上旬の野菜・果実卸値は前年比で下落率が拡大。野菜は▲21.6%に
1月上旬の主要青果物卸売市場の卸値の平均価格の前年比は、野菜が▲21.6%、果実が▲16.0%になりました。12月中旬では、野菜が▲10.2%、果実が▲13.0%だったので、比較すると下落率が拡大しました。
暫定税率の廃止などでガソリン価格は低下傾向。11月上旬から10週連続の下落
2025年末に約50年にわたって続いてきたガソリン税の暫定税率が廃止されたことなどから、レギュラーガソリンの全国平均価格は低下傾向にあります。1月消費者マインドアンケート調査の回答期限は1月20日で、1月19日時点までのレギュラーガソリン価格が反映されたのでしょう。
1月19日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は、154.7円/lで11月4日時点の173.6円/lから10回連続で低下しています。1月19日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格の前年比は▲16.4%の減少率で、マイナスは14回連続です。
物価上昇率は鈍化へ…「物価上昇判断DI」も70台への低下を予測
日本経済研究センターが取りまとめているエコノミストのコンセンサス調査の「ESPフォーキャスト調査」1月調査は、1月15日に公表されました。
1月調査の消費者物価指数・生鮮食品除く総合の四半期ごとの前年同期比・総平均予測は、2025年10~12月期は+2.78%と、12月調査の+2.55%から上方修正となりました。2026年1~3月期は+1.90%と0.88ポイントと大きく鈍化する見通しです。ガソリン暫定税率廃止や電気・ガス料金補助など物価対策効果の効果が出るためです。2026年は+1%台で推移するというのがエコノミストにとってはコンセンサスの見通しです。
近々、消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の前年比が+3%近かったときから+2%前後であることや、+2%を下回る水準になったことが、幅広く世間に認識されるようになれば、消費者マインドアンケート調査の物価上昇判断DIも、現在の80台から70台に低下していくものと予測されます。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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