日本株は再度上昇基調へ
ポイントは、FOMCでの利下げ――それも大幅利下げを受けても円高に進まなかったことである。筆者は従前から、これ以上の円高はないと言い続けてきた。その根拠は円高を唱える人への反論である。円高論者は、米国は利下げ、日本は利上げ、その金融政策の方向の違いから日米金利差が縮小して円高になるという。しかし、そんな金融政策の方向性の違いは、ずっと前からわかっていることだ。言い換えると、それは織り込み済み。過去から現在に至る市場の為替レートに反映されてきた材料である。
そのため、新たな材料がない限り、円高進行も限界があるというのが筆者の見方だった。今回のFOMCの決定を受けても円高が進まなかったのは、筆者の見方が正しいという証左である。これで当面の材料出尽くしだ。
これで円の当面の天井が見えた。9月19日の日本株の大幅高はそれを反映したものである。もともと円高があっても日本株は底堅い。それは(9月18日配信記事『大暴落が起きると「2番底」を伴うが…今回は「回避できる」といえる理由【ストラテジストが解説】』)で述べたことだ。そこに円高の終焉が加われば、日本株の懸念材料はほとんどなくなる。9月20日の植田・日銀総裁の記者会見がリスクとして残るが、それさえクリアできれば、日本株は再度上昇基調をたどるだろう。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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