本記事のポイント
・大暴落が起きると通常は2番底を伴う
・ファンダメンタルズは堅調
大暴落が起きると通常は2番底を伴う
8月7日の公開記事『「日本版ブラックマンデー」、この先の展開は?…「反騰ターゲット」のタイミング【ストラテジストが解説】』で、ジョージ・ソロスの再帰性理論について述べた。あまりに大きな市場変動が起きると、「市場価格の動き」そのものが「投資家の判断」の根拠として跳ね返ってきてしまう。こうなると、もうファンダメンタルズは関係なく、投資家の判断と価格の動きだけでループが回り続ける。
これが再帰性理論だが、この理論には続きがある。価格の動きが「再帰」するのは投資家の判断だけではない。価格の動きの影響がファンダメンタルズまで「再帰」し、通常であれば価格の動きの出発点となるはずのファンダメンタルズそのものを変えてしまうこともあるのだ。
株価の動きは速い。株価が先に動き、遅れて業績が修正されるケースはよくある。株価が大きく下落し、PER(株価収益率)もじゅうぶん下がったので「割安になった」と判断して買ったところ、あとから業績が下方修正されPERが上昇することがある。割安だと思ったのに、実は割安ではなかったという状態になる。2008年のリーマン・ショックが典型例だ。
こうした現象をとらえて、「株価には先見性がある」「株式市場は景気の先行きを映す鏡だ」などといわれるが、それは間違いである。株価が先行きを予想して下がるのではない。株価が下がったから、景気や業績が悪くなるのだ。株価の下げに連動して為替が円高に振れることも、景気・業績の悪化に拍車をかけることも、もはやいうまでもない。
大暴落が起きると通常は2番底を伴うという理由が、これである。市場の急変がファンダメンタルズの悪化を招き、それを嫌気して再度、株価が下がるというメカニズムである。
今後、懸念されるのは、為替の影響だろう。相場の急変動で一気に巻き戻った円高が、企業業績の下方修正を呼ばないか。現在の株価は調整を経てPERは過去平均並みに戻っており、割高感が払拭されたように見える。しかし、下方修正リスクを考えれば、この水準では買えないことになる。
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