税務調査で多額の追徴課税へ…認知症・母の遺産「4,000万円」をコンビニ出金でちょこちょこ使いした43歳息子、愕然←税務署が「申告漏れ」を嗅ぎ当てた理由【税理士が解説】

税務調査で多額の追徴課税へ…認知症・母の遺産「4,000万円」をコンビニ出金でちょこちょこ使いした43歳息子、愕然←税務署が「申告漏れ」を嗅ぎ当てた理由【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢親の認知症などを理由に親の資産を子が管理するというケースは多いでしょう。もしそうした状況で、親の資産を子が勝手に使ったら……。本記事では、Cさんの事例とともに、「預金の使い込み」による税務調査について木戸真智子税理士が解説します。

母が亡くなって…

Aさんは残念ながら介護施設近くの病院で亡くなってしまいます。Cさんはいよいよ天涯孤独となり、孤独な気持ちを抱え込みます。自宅で過ごすことが増えていきました。気力を奮い立たせて、Aさんと生前話していた相続について名義変更や申告の手続きをギリギリながらもどうにか済ませて、日常生活を取り戻す努力をしていました。

 

それから2年近く経ったある日、税務署から一本の電話がきました。

 

なんと、税務調査が来るというのです。Cさんからすると、「いまごろ、どうして?」と特に思い当たることもないまま、当日を迎えます。

 

税務調査当日

調査官が相続財産の資料や通帳を見ていたところ、「このほとんど毎日引き出されている出金について、内容を教えてください」と言われました。

 

Cさんはどうしてそんなことを聞くのだろうと思いました。それと同時に、ほとんど毎日引き出している認識はまったくなく、通帳を見返す習慣もなかったため、調査官に言われてようやく自分でも見返すと、自分のことながら驚くほどに毎日のように引き出している履歴がありました。

 

一つひとつの引き出し金額が多いわけではないのですが、毎日なので1ヵ月の合計金額にすると、かなりの金額になっていたのです。

 

「出金の内容」と言われてもなんとも言えず、言えることとしたら「母親の介護施設の行き来や必要なものの購入などに使っていました。金額としてはそんなに使った覚えはないのですが」ということがやっとでした。

 

とはいえ、引き出したATMはCさんの職場であるコンビニで、そしてほとんど毎日となると、それだけではないことはあきらかでした。引き出しが始まったのは3年半前で、そこからだんだん引き出す頻度も多くなり、気づけば日課になってしまっていたのでした。

 

その額は4,000万円を超えるほどになっており、Cさんにとっては、これが当たり前の毎日になってしまっていたことから、相続税の申告にも含めていませんでした。

 

※プライバシーのため、実際の事例内容と一部改変しています。

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