(※写真はイメージです/PIXTA)

事業承継において、株式会社の場合は、後継者に株式の全部、または大部分を引き継がせることになります。後継者が血縁者であっても、従業員等であっても、事業の引継ぎに伴う混乱やダメージを最大限抑え、スムーズに承継できるような対策が必要です。今回は、ファイナンシャルプランナーの中山国秀氏が、「生命保険」の活用方法について解説します。

株式を相続させたい場合に活用できる「2つ」の保険

会社が後継者から自社株を買い取り、後継者が代金を受け取ることで、相続税の納税資金に充てることができるという方法です。この際、会社側が自社株を買い取る資金を準備するために、生命保険に法人契約で加入しておくという方法があります。

 

自身が死亡した場合に、死亡保険金を会社が受け取るようにしておくことで、後継者から自己株式を購入する資金に充てることが可能です。「終身保険」「長期平準定期保険」、2種類の生命保険を活用する方法が考えられます。

 

自社株式の購入資金として利用する場合、注目すべきは、自身(あなた)が死亡した場合に会社が受け取る「死亡保険金」です。

 

「終身保険」

「終身保険」は、文字通り一生涯の死亡保障が続く保険です。そのため、なにがあっても確実に会社が保険金を受け取れるようにしたいのであれば、終身保険の加入・保有が最善といえます。

 

終身保険の特徴は、掛け捨てでなく、解約返戻金が増え続け、貯蓄性が高い点にあります。ただし、保険料は比較的高額に設定されていることから、キャッシュフローが悪化するリスクが大きいともいえます。

 

また、保険料は全額資産に計上されます。そのため、保険料で利益を圧縮するようなことは一切できません。

 

出所:筆者作成
[図表4]終身保険(イメージ図)
出所:筆者作成

 

出所:筆者作成
[図表5]低解約返戻金型終身保険(イメージ図) 出所:筆者作成

 

「長期平準定期保険」

「長期平準定期保険」は、保険期間が大変長く、その間の死亡保険金額が変わりません。ただし、「定期保険」のため期間が限られ、最長でも100歳までとなっています。

 

したがって、自身(あなた)が保険期間終了以降も長生きした場合、会社は保険金を1円も受け取れないというリスクがあります。自己株式の買い取りのための資金を準備する手段としては、終身保険ほど確実ではないといえます。

 

ただし、保険料は終身保険と比べれば低額なので、キャッシュフローが悪化するリスクは比較的低いでしょう。

 

また、保険料は一定割合が損金に算入されるため、利益を圧縮することも可能です。

 

出所:筆者作成
[図表6]長期平準定期保険(イメージ図) 出所:筆者作成

 

 

中山 国秀

生活設計本舗 秀ちゃん

ファイナンシャルプランナー

 

 

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