(※写真はイメージです/PIXTA)

8月上旬にかけて、米国株をはじめ世界の株式市場は軒並み全面安の展開となりました。世界的な市場の混乱の背景を整理しつつ、当面の米国株の注目点やリスクについて解説します。

※本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が2024年8月20日に配信したレポートを転載したものです。

米国の景気後退への懸念が浮上

第二に、7月分の米雇用統計やISM製造業景気指数が市場予想を下回る結果となったことで、改めて米国の景気後退への懸念が浮上したことが挙げられます。

 

ただし、その後に公表された経済指標では、7月のISM非製造業景気指数が活動拡大を示す51.4に改善したほか、7月の小売売上高が市場予想を上回る前月比1.0%の増加となるなど、米国経済を支えるサービス業や個人消費はなお底堅さを維持していることが示されています(図3)。

 

もっとも、足元の米国景気は強弱が入り乱れている状況にあることから、今後の経済指標で景気の軟着陸の実現性を慎重に見極める必要がありそうです。

 

 

米ハイテク企業の業績鈍化が市場の不安要素に

第三に、米ハイテク企業の業績の伸びの鈍化が米国株式市場の不安定さを生む一因になっているとみられます。

 

足元では米国企業による2024年第2四半期の決算発表が終盤に差し掛かる中、情報技術セクターの一株当たり利益のポジティブ・サプライズ比率の急低下が顕著となっています(91.0%→74.1%、図4)。

 

これまでは人工知能(AI)ブームへの期待が米ハイテク株を押し上げる一因となってきたものの、市場はハイテク企業に対してAIブームからの具体的な利益貢献の成果を求め始めています。ハイテク企業の利益の伸びは2024年後半にかけて鈍化が見込まれ、今後は業績に応じてハイテク株への選別の動きが強まる可能性があります(図7)。

 

 

 

 
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