業績好調下で“選別”が進む米国株―「AI脅威論」の浮上と広がるセクターローテーション【フランクリン・テンプルトンが解説】

業績好調下で“選別”が進む米国株―「AI脅威論」の浮上と広がるセクターローテーション【フランクリン・テンプルトンが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年初の米国株は、AIブームへの期待と警戒が交錯し、一進一退の値動きが続いています。米国株の業績は概ね堅調を維持しており、利益成長への期待が株価の下支え要因となっています。こうした中、市場ではAI設備投資への懸念やAI脅威論が浮上しており、ハイテク・セクターへの集中リスクを回避したセクターローテーション(業種間の資金移動)が進む兆しがみられます。


※本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が2026年2月19日に配信したレポートを転載したものです。

〈〈元のレポートはコチラ〉〉

利益成長への期待が2026年の米国株を下支え

2026年初の米国株は、AIブームへの期待と警戒が交錯し、一進一退の値動きが続いています。足元では市場心理が悪化に向かう中、利益成長への期待が株価を下支えする構図にあります(図1)。

 

2026年1月下旬から本格化している米国企業の決算では、概ね堅調な業績が確認されています。2月13日時点でS&P500指数構成銘柄のうち374社が決算を公表しており、そのうち75%強の企業は一株当たり利益が市場予想を上回りました(図2)。

 

2025年第4四半期の純利益は、前年比約13%の高い伸びを維持する見込みです。利益成長をけん引しているのは引き続きハイテク・セクターですが、幅広いセクターに利益回復が広がる兆しもみられます(図4)。

 

市場の注目はAI設備投資の回収の行方に向かう

もっとも、足元での市場の注目は好調な企業業績そのものよりも、ハイテク・セクターにおける設備投資の回収の行方に集まっています。今回のハイテク企業決算でも、AI関連の設備投資を大幅に積み増す傾向が続いており、拡大する投資がキャッシュフローを圧迫するとの懸念が市場の不透明感につながっていると考えられます(図3)。

 

ハイテク株安の裏でセクターローテーションが進む

こうした中、2026年初来の米国株のセクター別騰落率を見ると、2025年に好調なパフォーマンスを示したハイテク株が軟調な傾向にあります(図5)。

特に足元では、AIが既存の多様なサービスを代替する「AI脅威論」が新たな懸念材料として意識され、ソフトウェア・サービス株の下落も顕著です(図6)。ハイテク・セクターでは、AIの急速な進化と普及を背景にビジネスモデルの持続性が問われつつあり、2026年は銘柄間での選別が一段と進む可能性がありそうです。

一方、2026年はエネルギーや素材、生活必需品、資本財・サービスなどへのセクターローテーションが進む兆しがみられます。AIに代替されにくい資源やインフラ基盤(エネルギー、素材、公益事業)や、米国景気の堅調と利益成長の安定性(生活必需品)、設備投資拡大の恩恵(資本財・サービス)などが、これらセクターへの見直し要因になっていると考えられます。

 

当面の米国株式市場では、ハイテク・セクターへの過度な集中を避けながら、成長と安定のバランスを取った分散投資を進めることが重要になりそうです。

 

(※)当資料内での個別銘柄の事例は市場の理解を深めるためのものであり、特定の銘柄の売買推奨等を行うものではありません。

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