予知はできない、備えるのみ
今週、出演したテレビ東京「News モーニングサテライト」の「経済視点」には、「地震と株価」と書いた。以下はその際の筆者の発言。
株式相場で急落が起きると、よく「何万年に1回」だとか「未曽有の大暴落」みたいなことを言われますが、実は結構頻繁に起きていますよね。金融の世界では株価の変動は正規分布に従うという仮定になっているので、正規分布は平均の周りに集中しており、今回のような大異常な暴落などの事象は中心から大きく離れて何シグマ(標準偏差)といった言い方をします。そのため、滅多に起きないということになってしまうのです。しかし実際は、その分布の捉え方が間違っており、株価の変動は地震の発生の確率の分布(グーテンベルグ=リヒター則という) に近いという説があります。
地震も、前震があって本震があって余震が続く。今回の大暴落はブラックマンデーになぞらえることが多いです。ブラックマンデーも前にそれまで最大の下げ幅が来てその2日後に108ドル、また最大の下げが来て、そして週が明けたら500ドルの大暴落でブラックマンデーとなったのです。今回も同じではないでしょうか。8月1日木曜日に日経平均1,000円クラスの下げがあり、翌日に2,200円の下げ。その時点でね、本当はおかしいと思わなきゃいけないのです。そして週明け月曜日に4,500円安。前震があって本震が来る。流れは地震と同じです。
9月1日は防災の日であった。地震はいつ来るか予知はできない。株価の大暴落も同じでピンポイントの予知は、やはり不可能だ。われわれにできるのは、「大きな揺れがいつやってきてもおかしくない」という覚悟を常に持ち続け、可能な限りの準備をすることだけである。
むろん、株価の急落、地震だけでなく台風などの災害への備えも抜かりなく。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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