本記事のポイント
・市場の動揺は続く
・債券・通貨・株式のトリプル安が示したリスク 米国は一人負けか
・新たな秩序の不透明さが市場を揺らす
市場の動揺は続く
日米とも株価は記録的な値幅で乱高下が続いている。トランプ米大統領は9日、同日発動したばかりの相互関税の上乗せ部分について、一部の国・地域に90日間の一時停止を許可すると発表した。
これを好感して米国市場ではダウ平均が過去最大の上げ幅を記録。それを受けた日経平均株価も過去2番目となる大幅高で反発し、3万4,000円台を回復した。しかし、昨日の米国市場では再び株価は大幅安となった。今日(2025年4月11日)の東京市場で日経平均も一時1,900円安まで反落した。市場の動揺は収まっていない。根本的な問題がなにも変わっていないからである。
相互関税の上乗せ部分については90日間の一時停止だが、10%の一律関税は維持される。関税政策を撤回したわけではないのである。まして、中国との関税合戦はエスカレートしている。中国に対しては125%の追加関税だと思われていたが、3月までに課した20%の追加関税と合わせて税率が145%になるという。
市場が懸念するのは米中という世界の2大経済大国による貿易戦争で世界景気が不況に陥ることである。状況がますます深刻化しているのだから、市場の不安が収まらないのは当然だ。