フィリピン「大型インフラ計画」最新動向…大財閥アヤラ、8年近く停滞「首都・ターミナルプロジェクト」再始動へ

9月2日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピン「大型インフラ計画」最新動向…大財閥アヤラ、8年近く停滞「首都・ターミナルプロジェクト」再始動へ
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は、フィリピンの注目の大型インフラプロジェクトの最新動向についてみていきます。

首都・マニラの大型交通施設の建設、再始動へ

アヤラ財閥の不動産ディベロッパー、アヤラランド(ALI)は、マニラ首都圏内のタギッグにある中心業務地区、BGCのあるタギッグ市統合ターミナル・エクスチェンジプロジェクトの建設を年内に開始する予定であると、運輸省(DoTr)が発表しました。このプロジェクトは、2016年から停滞していたもので、マニラのあるルソン島を縦断するノース・サウス・コミューター・鉄道や市内バス、その他の公共交通機関と連携し、乗客を他の交通システムに接続する多目的ターミナルの建設を目的としています。

 

フィリピンの政府機関PPPセンター(Public-Private Partnership Center)によると、このプロジェクトの契約期間は建設期間を含む35年間で、承認時点での推定費用は52億ペソでした。現在、DoTrはフィリピン退役軍人財団(Veterans Foundation of the Philippines)との間で、土地の使用権に関する最終調整を行っているところです。2015年にこのプロジェクトはALIに供与され、当初は2020年までに稼働予定でしたが、いくつかの問題により遅延していました。

 

PPPセンターによると、このプロジェクトの民間提案者は、プロジェクトの設計、建設、資金調達だけでなく、その運営とメンテナンスも担当します。さらに提案者は商業開発を行い、その収益を得ることも可能です。

 

フィリピンでは、このプロジェクトが、東南メトロマニラ高速道路(SEMME/C6)プロジェクトや他の政府鉄道プロジェクトを補完する形で、交通システムの改善に寄与することが期待されています。

マニラ電力、海外の大学と提携「原子力」さらに推進へ

マニラ電力会社(Meralco)は、原子力エネルギーの取り組みを強化するため、海外の大学であるカナダのオンタリオ工科大学と米国のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校と覚書を締結しました。さらに中国の中国国家核電有限公司(CNNC)のパートナーであるハルビン工程大学と清華大学とも提携しています。

 

これらの提携は、原子力発電所の運営管理に関する知識の取得や、核エネルギー研究の共同開発・実施を通じて、フィリピンでの原子力エネルギー採用を推進することを目的としています。Meralco社は、これらの提携により、原子力技術への理解が深まり、政府政策との整合を図りながら計画を進めることができると述べています。

 

さらにMeralcoは、2023年にフィリピン人向けの奨学金・インターンプログラム「FISSION」を開始し、初の奨学生が米国と中国で3〜4年間の原子力工学プログラムを学ぶ予定です。帰国後はMeralcoの原子力発電部門に配置される予定だといいます。このプログラムを通じて、原子力エネルギー分野の次世代リーダーを育成し、フィリピンの持続可能なエネルギーソリューションを進展させることを目指しています。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】12月25日(水)開催
フルローン×1都3県・駅チカ物件で利回り7%超×買戻し特約で投資家殺到!
「カインドネスシリーズ」年末特別説明会

 

​​【海外不動産】12月26日(木)開催
10年間「年10%」の利回り保証・Wyndham最上位クラス
「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】12月26日(木)開催
年利20%の不動産投資の感覚で新しい収益の柱を構築
ブルーオーシャン戦略で急拡大!
いま大注目のFCビジネス「SOELU」の全貌

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧