フィリピン「政策金利引き下げ」…株式市場には好影響
8月15日にBSPが25ベーシスポイント(bp)の利下げを行い、これを受けてフィリピン証券取引所指数(PSEi)は7,000ポイントに迫る動きを見せています。専門家は、フィリピン中央銀行(BSP)のさらなる利下げが、フィリピン株式市場に好影響を与えると予測しています。
一般的に金融政策のハト派的な転換は株式市場にとって好材料であり、金利の低下は借り入れコストの減少と株式市場の上昇をもたらします。また、安定した為替レートと持続的な経済成長が海外投資マネーの流入を促し、取引量の増加につながります。実際、PSEiは、8月22日には6,944.76ポイントで取引を終え、一時7,005.27ポイントまで達しました。
BSPは政策金利を25bp引き下げ、6.25%に設定しました。これは2020年11月以来の利下げで、これにより過去17年間で最も高かった6.5%からの引き下げとなりました。BSP総裁のレモロナ氏は、第4四半期にさらに25bpの追加利下げの余地があるとしています。
市場関係者の多くは、PSEiが年末までに7,000ポイントを突破すると予測しています。BSPや米連邦準備理事会(FRB)による利下げが流動性を向上させ、借り入れコストを低下させることで、経済成長を刺激し、企業収益を押し上げると考えられています。
一方で、利下げのあとには市場のボラティリティが増す可能性も指摘されています。利下げにより投資家がポートフォリオをリバランスし、債券から株式市場に資金をシフトさせる動きが活発化する可能性があります。
利下げの恩恵を受けるセクターとしては、不動産企業やリゾート(REIT)、消費財関連企業が挙げられます。特に消費関連株は、ホリデーシーズンを控えて家計支出が増えるなかで恩恵を受けると予想されています。
このようななか、インフレが消費支出に与える影響を考慮し、年内の株式市場に対して慎重な楽観的見通しを示す市場関係者もいます。企業収益が依然として高価格に苦しむ消費者に影響を受ける場合、株価の上値が重たくなる可能性があります。また、アメリカでの景気後退や株式市場の軟調化のリスクも依然として残っており、これが発生すればフィリピン市場にも悪影響を及ぼす可能性もあります。さらに、地政学的緊張や世界経済の減速などのリスクも指摘されています。
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