物価は3ヵ月連続で上昇傾向
総務省が公表した2024年7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、以下コアCPI)は前年比+2.7%と、6月(同+2.6%)から小幅ながら伸びが拡大しました(図表3)。
生鮮食品を除く食料(6月︓前年比+2.8%→7月︓同+2.6%)の伸びが鈍化したものの、エネルギー(6月︓前年比+7.7%→7月︓同+12.0%)が拡大したことが、コアCPIを押し上げました(図表4)。
エネルギーの内訳では、2023年8月から開始した電気・ガス代補助金が6月請求分でいったん終了したことで、電気代(6月︓前年比+13.4%→7月︓同+22.3%)、都市ガス代(6月︓前年比+3.7%→7月︓同+10.8%)の伸びが高まった格好となっています。なお、9月〜11月(8月使用分〜10月使用分)は補助金が一時的に復活することで、電気代、都市ガス代は再び押し下げられ、12月(11月使用分)以降は、補助金が終了する予定となっています。
生鮮食品を除く食料については、原材料費の上昇を価格転嫁する動きが強まった前年は、高い伸びとなったものの、その裏の影響が出ていることや消費の低迷といった下押し要因もあり、2023年7月(前年比+9.2%)をピークに、伸びは鈍化傾向にあります。先行きについては、円安による輸入物価上昇を起点とした、コスト上昇圧力を転嫁する動きが強まることが押し上げ要因となることから(図表5)、生鮮食品を除く食料は、年内にいったん鈍化に⻭止めがかかる可能性があります。
もっとも、為替市場で7月中旬の1米ドル=161円台から、足もとでは140円台半ばまで急速に円高米ドル安が進行していることから、中⻑期的には財価格の下押しに作用することが予想されます。
コアCPI上昇率は、電気・ガス代補助金が復活する9月〜11月に2%台前半へ鈍化し、その後は補助金終了にともない、伸びを高めるものの、円高による下押し圧力が加わることから、2025年度入り後に2%台を下回ることが予想されます。