前週の米ドル/円の振り返り
為替市場では、主要株式市場の上昇を背景としたリスク選好の円売り米ドル買いと、米利下げ観測の高まりを背景に日米金利差の縮小を意識した円買い米ドル売りが綱引きする展開となり、14日にかけて1米ドル=147円前後を中心とした動きとなりました。その後は7月の米小売売上高の堅調さを背景とした米金利の上昇を受け、円安米ドル高が進行し、16日には1米ドル=149.13円と、9日(147.66円)に比べ、円安米ドル高となりました(図表1)。
4-6月期の実質GDPは市場予想を上回る成⻑率に
内閣府が公表した「四半期別GDP速報」によると、2024年4-6月期の実質GDP(1次速報値)は前期比+0.8%(前期比年率+3.1%)と、2四半期ぶりのプラス成⻑となりました(図表2)。
需要項目別では、⺠間消費(前期比+1.0%)や設備投資(同+0.9%)、住宅投資(同+1.6%)などの国内⺠間需要(以下、内需)がいずれもプラスに転じました(図表3)。
一方、輸出は前期比+1.4%とプラスに転じたものの、輸入の伸び(前期比+1.7%)を下回ったため、外需寄与度は前期比▲0.1%と成⻑率を押し下げました。
⺠間消費は前期比+1.0%と、5四半期ぶりの増加となりました。物価高による下押しが続くなか、大手自動車メーカーの認証不正問題の影響により、1-3月期に落ち込んだ自動車の販売が、挽回生産によって持ち直したことが⺠間消費を押し上げました。⺠間消費の内訳をみると、自動車販売の回復を受け、耐久財消費が前期比+8.1%と1-3月期(同▲11.0%)から持ち直したほか、被服や履物などの半耐久財消費、食料などの非耐久財消費も増加しました(図表4)。
春闘賃上げ率を反映した賃金の増加や定額減税の影響などが、非耐久財消費や半耐久財消費を押し上げた可能性があります。4-6月期は財消費が揃って増加したものの、⺠間消費が4四半期連続で減少した点を考慮すると、戻りは鈍い状況にあります。定額減税による押し上げ効果は一時的であり、物価高による節約志向は根強いだけに、7-9月期の⺠間消費がプラスを維持できるかは、不透明な状況にあるといえます。