前週の米ドル/円の振り返り
為替市場では、前週に円安米ドル高が進行したことで、持ち高調整の円買い米ドル売りが入ったことや、米雇用統計の年次改定や7月開催分のFOMC議事録の公表を受け、日米金利差の縮小を意識した、円買い米ドル売りが優勢となったことなどから、23日には1米ドル=146.27円と、16日(149.13円)に比べ円高米ドル安となりました(図表1)。
シカゴ通貨先物市場IMMにおける投機筋による円のポジション(持ち高)をみると、ロング(買いポジション)が積み増された一方で、ショート(売りポジション)が取り崩されました。それにより、2021年3月以来、3年5か月ぶりにネットロング(買いポジション超過)に転じました(図表2)。
これは、FRBが利下げを開始する一方で、日銀が利上げを継続することで、日米金利差が縮小するとの見方から、投機筋が円キャリートレードの終了を見越して、中⻑期的な円高予想に傾きつつあることを示していると考えられます。今後、日米金融政策の方向性の違いから、円のネットロングが積み上がれば、投資家はそれに追随する形で、円高方向にポジションを傾けることが予想されます。