前週の米ドル/円…ドル買い優勢で「ドル高円安」の展開に
為替市場では、ウォラーFRB理事が利下げに慎重な考えを⽰したことで⽶⾦利が上昇したほか、⽶⼤統領選挙の賭けサイトにおいて、インフレを招く関税引き上げを掲げるトランプ候補の勝利を予想する向きが増えたこと(図表1)が材料視され、⽶ドル買いが優勢となりました。
10⽉18⽇には1⽶ドル=150.13円と10⽉11⽇(148.62円)に⽐べ、円安⽶ドル⾼となりました(図表2)。
日本経済︓コアCPI上昇率は、補助金の影響で5ヵ月ぶりに鈍化
総務省が公表した2024年9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、以下全国コアCPI)は前年比+2.4%(8月︓+2.8%)と、5ヵ月ぶりに伸びが鈍化しました(図表3)。
伸び鈍化の主因は、政府による電気・ガス代の補助金が一時的に復活したことによるもので、エネルギーの伸びは大きく縮小しています(図表4)。
政府が7月請求分で補助金をいったん終了したことで、電気・ガス代は7月以降に大きく上昇していたものの、9月〜11月で一時的に補助金が復活したことで、コアCPIは再び押し下げられた格好となりました。エネルギーの内訳をみると、電気代が前年比+15.2%(8月︓同+26.2%)、都市ガス代が前年比+8.3%(8月︓同+15.1%)となっています。なお、補助金は11月まで継続したのち、12月に終了する予定となっており、先行きのCPIの動きも電気代、ガス代に大きくかく乱されることになります。
食料(生鮮食品を除く)については前年比+3.1%と、8月(同+2.9%)から伸びが拡大しました(図表5)。
もっとも、米不足の影響から、米類が前年比+44.7%(8月︓+28.3%)と急上昇している点に留意が必要です。9月は米類だけで食料(生鮮食品を除く)を+1.0%(8月︓+0.7%)押し上げており、食料(生鮮食品、米類を除く)は均してみれば、緩やかに鈍化していると判断されます。
食料(生鮮食品を除く)は、原材料費の上昇を価格転嫁する動きが強まった前年に高い伸びとなり、足もとではその裏の影響が顕在化する一方で、引き続き、原材料コスト上昇を価格転嫁する動きが続いていることから、足もとで鈍化ペースは緩やかなものにとどまっています。