【昨年「余命4ヵ月」宣告】〈膵臓がん〉→〈原発不明がん〉闘病中の森永卓郎氏が、がん発覚後、唯一「変えてよかった」と考える“食習慣”

【昨年「余命4ヵ月」宣告】〈膵臓がん〉→〈原発不明がん〉闘病中の森永卓郎氏が、がん発覚後、唯一「変えてよかった」と考える“食習慣”
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨年末に膵臓がんであることを公表した、経済アナリストの森永卓郎氏。がんが発覚した時にはすでにステージ4であるだけでなく、余命4ヵ月の宣告を受けました。がんを公表後、森永氏のもとには、治療のアドバイスに関するメールが、1日に数十件以上届くといいます。今回、森永氏の著書『がん闘病日記』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より、現在も精力的に執筆活動を継続する森永氏が、がん罹患後に「唯一変えた」食生活について見ていきましょう。

がんを公表してから…

私のメールアドレスには、ふだんから1日100通以上のメールが来る。がんの公表後、それが倍増した。

 

もちろんお見舞いや励ましのメールも数多くあったのだが、それをはるかに上回るペースで、治療のアドバイスが寄せられたのだ。その勢いは、その後、5ヵ月以上経っても続いている。

 

アドバイスの内容は千差万別だったが、類型化すると以下のように整理される。

森永氏が推奨された「がんを治す」ための精神論

まずは精神論だ。治療のためには、前向きの気持ちを捨ててはいけない。だから常に希望を持てるように、毎日「太陽を拝むべき」、「わっはっはと笑うべき」といったものだ。

 

前向きの気持ちが大切だというのは全面的に賛成なのだが、私にはなぜ太陽を拝むと前向きになれるのかはよくわからない。

 

宗教の力を借りるべきだというアドバイスもたくさん来た。

 

「ご先祖さまに祈れば救われる」といった独自宗教や、知名度の低い新興宗教、そこそこの知名度のある新興宗教への入信が勧められた。勝手な想像だが、そのことで私ががんの克服に成功したら、それを教団の宣伝材料にしたいのだろう。

 

そして、仏教やキリスト教といった確立した宗教からのお誘いもあった。

 

ちゃんとした宗教だから、アドバイスはしっかりしているのだが、私が違和感を禁じえなかったのは、「あの世での幸福を得るために祈りなさい」としていたところだ。

 

私は、あの世の存在を信じていない。いまの人生が終わったら、元の木阿弥、何一つ残らないと考えている。それではなぜ、宗教があの世の存在をアピールするのかというと、信者に現世での幸福をもたらそうと考えているからだ。

 

ほとんどの信者はつらい人生を送っている。それを直接改善することは、どんな宗教でも容易ではない。そこで「いま祈っておけば、来世での幸福が訪れますよ」と言って希望を与える。その希望が信者の現世での生きがいとなって、現世もまた幸福になるのだ。

 

ところが、私は来世の存在を信じていない。現世の暮らしも、やりたいことをやってきた。だから、現世での暮らしがつらいとか苦しいとか感じていないのだ。そうした人間に宗教は不要だ。

 

ただ、ちょっとだけ嬉しかったことがある。それは多くの人がお守りを送ってきてくれたことだ。いま私の寝室には、送られてきたお守りがずらりと並んで吊り下げられている。

 

最初にお守りを送ってきてくれたのは、上島竜兵さんの奥さまの広川ひかるさんだった。ラジオで一度共演させていただいた関係だ。お手紙には書いてなかったが、おそらくご主人を亡くされた経験を踏まえて、私に生き延びてほしいと思われたのだろう。

 

お笑い芸人のみほとけさんは、わざわざ奈良の大安寺に出かけて、祈祷を受けたお札を持ってきてくださった。みほとけさんは、お笑い芸人であると同時に仏教の専門家で、大安寺はがん封じで有名なお寺だ。ちなみに、御祈祷はサブスク方式になっていて、お寺に電話などで連絡すると、1年のあいだ何度でも祈祷を繰り返してくれる仕組みになっているそうだ。

 

お守りやお札がありがたいのは、場所を取らないことだ。千羽鶴を送ってきてくれた人もいるのだが、自宅には飾るスペースがないため、事務所に飾っている。

 

もうひとつ、お守りのありがたいところは、送り主に打算がないことだ。

 

多くの人が、お守りでがんが治るとは考えていない。だから、仮に私のがんが治癒したとしても、「自分が送ったお守りのおかげでがんが消えた」というアピールはできない。

 

つまり、お守りに込められているのは「治ってほしい」という純粋な気持ちだけなのだ。

 

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※本連載は、森永卓郎氏による著書『がん闘病日記』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より一部を抜粋・再編集したものです。

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