昨今加速するインフレ、円安……。安心してお金を使える仕組み作りが大切になってくる「60歳代」は、どのようなポイントに注意して「資産形成」を進めるべきなのでしょうか。本記事では、ファイナンシャルプランナー菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)から一部を抜粋・編集し、「60歳代からの資産形成」で押さえるべきポイントと具体的なポートフォリオ例をご紹介します。

60歳代からの資産形成はどう考えればいい?

インフレ・円安に備えながら使う

60歳代以降の資産形成は、資産を増やしていくというよりも、資産を減らさないように守りながら、上手に使っていくことがメインテーマになるでしょう。もちろん、人によっては60歳代以降も安定収入があり、資産を増やしていける人もいるでしょうが、割合としてはそれほど多くないかと思われます。

 

積立貯蓄や積立投資などの資金の積み上げが難しくなってきたときこそ考慮すべきなのが、インフレや円安による実質的、または相対的な資金の目減りへの備えです。

 

実際に、2022年、2023年は世界的に物価上昇が進み、日本の消費者物価指数も2022年が前年比2.5%、2023年が前年比3.2%の上昇率を記録しました(図1)。物価上昇率が3%を超えるのは、1991年以来32年ぶりです。

 

そして、2023年は年初1ドル=110円台だった為替レートが、一時1ドル=160円台をつけるまで円安が進みました(図2)。その間、元本の積み上げができていない人、物価上昇率や円の下落率を上回る収益が得られなかった人は、実質的・相対的に資産が目減りしてしまっているわけです。

 

[図表1]消費者物価指数の前年比上昇率の推移(全国総合)
[図表1]消費者物価指数の前年比上昇率の推移(全国総合) (出所)総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」より作成

 

[図表2]米ドル/円の為替レートの推移(1980年1月~ 2023年4月)
[図表2]米ドル/円の為替レートの推移(1980年1月~ 2023年4月)

 

守りを重視するかしないか

保有資産を守りながら上手に使うためには、資産の一部に株式や不動産などを組み入れておくことが欠かせません。すぐに取り崩して使う部分は値動きの小さい国内債券や預金、すぐには使わないお金は現役世代と同じように、幅広く分散投資をしておく。これが無難だと思われます。

 

とはいえ、安心してお金を使える仕組み作りを重視したい場合は、多少の目減りは気にせずに使っていくことに意識を向けてもかまいません。

 

 

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※本連載は、ファイナンシャルプランナー・菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)の中から一部を抜粋し、将来のお金の悩みを解決します。

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