低金利でも利息の負担は意外に重い?
鉄則4:「ローンは少なく借りて短く返す」
住宅ローンは借金です。利息を上乗せして返済しなければなりません。1,000万円を35年返済で借りると、金利が0.5%でも約90万円ほどの利息を支払います。金利が1.5%だと約286万円もの利息負担です。借入金額が2,000万円なら2倍、3,000万円なら3倍の支払いになります[図表6]。
やはり、借金をするのであれば少なめに、そして、短い期間で返したほうが利息の負担は少なくなることを覚えておくべきでしょう。借金は、「少なく借りて短く返す」が基本です。
ただし、借入金利よりも高い運用利回りで運用できる場合は、「たくさん借りて長く返す」のほうが理屈上は有利になります。住宅ローン金利が年0.5%を切る水準で、期待できる運用利回りが年5%程度なら、頭金を多めに入れて借入金額を少なくするより、頭金には入れずに資産運用に回したほうが、経済効果は大きくなるからです。
とはいえ、たくさん借りてしまうと、返済自体が苦しくなってしまう可能性がありますから、返せる金額を借りるという前述の「鉄則1」は最優先で守るべきです。
「住宅取得」を目標にしてはダメ?
鉄則5:「貯蓄のできる返済計画にする」
住宅取得だけが人生ではありません。教育資金や老後資金など、さまざまなものに備えた貯蓄をきちんとできる返済計画にすることが大切です[図表7]。
ハッキリ言うと、「住宅取得」を目標にしてはダメです。目標にすべきなのは、住宅取得後の「ゆとりのある生活」です。想像してみてください。
- 家は買ったけれど、小遣いが減る
- 家は買ったけれど、外食や旅行に行けなくなった
- 家を買って床暖房は設置したけれど、つけない など
節約しなければ生活していけない住宅取得では、何のためのマイホームかわかりません。したがって、自分と家族のライフプラン全体を見渡したうえで、適切な場所、適切な物件価格のマイホームを探すことが重要なのです。
菱田 雅生
ライフアセットコンサルティング株式会社 代表取締役
ファイナンシャルプランナー
注目のセミナー情報
【医院開業】9月26日(木)開催
【医師限定】人生設計から考える!
医療業界に精通したFPが語る〈医院開業資金〉のリスクと備え
【国内不動産】9月28日(土)開催
日本製鉄独自技術「NSスーパーフレーム工法」で実現する
長期的に資産価値が落ちない新発想の〈高気密〉〈高断熱〉賃貸マンション経営
【海外不動産】9月28日(土)開催
海外不動産の投資手法をアップデート!
日本国内の銀行融資を活用した「最新・ベトナム不動産投資戦略」
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】