「人生の3大資金」のひとつに数えられる「住宅資金」。住宅購入に際しては、ほとんどの人が「住宅ローン」を組むことになります。しかし、何も考えずにローンを組むと返済地獄に陥ってしまうことも……。本記事では、ファイナンシャルプランナー菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)から一部を抜粋・編集し、住宅ローンを組むときに守るべき「5つの鉄則」について解説します。

安全性最優先なら固定金利!

鉄則2:「変動金利型を利用するならリスクを知ってから」

2024年5月現在、変動金利型の金利水準は最も低いところで年0.3%前後、全期間固定金利型の金利水準は代表格のフラット35が年1.8%台です。

 

金利差が1.5%以上。毎月返済額にすると、2、3万円違ってくるレベルです。最近、変動金利型を選ぶ人が増えてきているのもうなずけます[図表3][図表4]

 

*2024年5月現在
[図表3]住宅ローンの主な金利タイプ *2024年5月現在

 

(出所)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2023年10月)
[図表4]住宅ローン利用者が利用した金利タイプ (出所)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2023年10月)

 

ただし、変動金利型を利用する際は、きちんとリスクを知ってからにすべきでしょう。通常の変動金利型は、半年ごとに適用金利が見直されます。つまり、これから国内金利が上昇していったとすると、それに応じて適用金利が上がり、返済額が増えてしまう可能性があるわけです。

 

いまの日本の経済情勢からすると、金利がどんどん上がっていくというのは考えにくいですが、5年後10年後はわかりません。変動金利型を利用するなら、5年後10年後に適用金利が1%上がったら返済額がいくら増えるのか、2%上がったら返済額がいくら増えるのかを事前に計算しておくとよいでしょう。

 

仮にそうなっても家計は大丈夫だと思えるなら、変動金利型を使ってもよいでしょう。一方、金利が上がって返済額が増えると家計が苦しくなりそう、とか、精神的にしんどくなりそう、などと思うなら、安全性最優先の固定金利型を利用すべきでしょう。

安易な35年返済は老後貧乏まっしぐら!?

鉄則3:「返済期間は(60歳-現在の年齢)以内」

最近は、60歳以降も働く人が増えているので、(65歳-現在の年齢)でよいかもしれませんが、65歳まで働けても、60歳以降は収入が大きく減る可能性もあります。

 

さらに、老後資金が十分でなかった場合、65歳まで住宅ローン返済が続くのは老後貧乏へまっしぐらかも? やはり、60歳までに完済できたほうが安全でしょう。

 

60歳までに完済できるローンで希望の物件が買えないなら、それは価格が高すぎるということです。物件を見直しましょう。

 

定期的な繰上げ返済を考える人もいますが、繰上げ返済のためには貯蓄が必要です。計画的に貯蓄できるなら、毎月返済額に上乗せして、返済期間を短く組めるはず。最初は長く組んで途中で繰上げ返済しようとする返済計画は、うまくいかない可能性もあるので要注意です[図表5]

 

※返済期間の平均値32.8年。中央値35年(短い人から順に並べて真ん中の人の返済期間) ※全体の8割以上の人が31~35年を選択している
[図表5]【フラット35】の返済期間ごとの利用者数(人)(2022年度) ※返済期間の平均値32.8年。中央値35年(短い人から順に並べて真ん中の人の返済期間)
※全体の8割以上の人が31~35年を選択している

 

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※本連載は、ファイナンシャルプランナー・菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)の中から一部を抜粋し、将来のお金の悩みを解決します。

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菱田雅生

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