国際金融システムを取巻く大きなフレームワークがきしむとき
しかし、筆者は妙な因果を感じるのである。史上最大の暴落であったブラックマンデーはその原因が40年近く経過した現在もまだ解明されていない。なぜ、あれだけの大暴落が起きたのか? その遠因と考えられているのは、米国の双子の赤字、西ドイツの利上げ、ルーブル合意でのドル安是正失敗、自動売買システムの普及などだ。だが、明確な原因はいまだに特定できない。
一方で、おそらく国際金融システム協調の乱れがその大きな背景にあったのではないか、というのは多くの識者の見解が一致するところだ。
紙幅の関係で詳細は別の機会に譲るが、プラザ合意からルーブル合意に至るなかで西ドイツがインフレ抑制のために利上げをする――これが国際協調の足並みの乱れと市場には捉えられ、投資家の不安を高めていった。そのような大きなフレームワークがきしむとき、金融市場では波乱が起きる。
今回の日経平均2,000円安は、その縮尺図と捉えることもできるのではないか。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
注目のセミナー情報
【海外不動産】10月16日(水)開催
2024年からの海外不動産投資戦略
躍進する「マレーシア・クアラルンプール」の
急成長期待エリアで勝つ方法
【国内不動産】10月19日(土)開催
元サラリーマン大家の現役投資家社長が伝授…
5億円以上の資産を作る!「不動産投資」の成功ノウハウ
【国内不動産】10月19日(土)開催
建築家設計「デザイナーズ高断熱住宅」で実現する
長期的に資産価値が落ちない
新発想の〈高気密〉〈高断熱〉賃貸マンション経営
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】