贅沢品への支出は低調
財支出のうち、耐久財は2024年4-6月期に前期比+1.2%(1-3月期︓同▲1.1%)と年末商戦の反動から持ち直したものの、年末商戦前(2023年10-12月期)と同水準にとどまっています(図表3)。
4-6月期は、ディーラー向けソフトウェア会社がサイバー攻撃を受けたことで、自動車の回復が鈍かったことに加え、消費者の節約志向により、娯楽用品などの選択的支出(贅沢品)が低調となったことが、反映されているとみられます。
非耐久財については、2024年4-6月期に前期比+0.3%(1-3月期︓同▲0.3%)とプラスに転じたものの、2023年10-12月期対比では、+0.1%の低い伸びにとどまっています(図表4)。
4-6月期は、食料こそ増加したものの、被服・履物が減少したほか、燃料はガソリン価格の上昇を受けて急減した1-3月期からの戻りが弱い状況にあります。
先行きを展望すると、コロナ禍で積み上がった過剰貯蓄の取り崩しが進んでいるなかで、労働需給の緩和を背景に、賃金の伸びが鈍化していることや、クレジットカードローンの延滞率が上昇していることなどを踏まえると、個人消費の減速傾向は継続すると予想されます。