(画像はイメージです/PIXTA)

ドル/円急落により「円安トレンド」の転換をも予感させる現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

贅沢品への支出は低調

財支出のうち、耐久財は2024年4-6月期に前期比+1.2%(1-3月期︓同▲1.1%)と年末商戦の反動から持ち直したものの、年末商戦前(2023年10-12月期)と同水準にとどまっています(図表3)。

 

出所:Bloomberg
[図表3]実質個人支出(耐久財)の内訳 出所:Bloomberg

 

4-6月期は、ディーラー向けソフトウェア会社がサイバー攻撃を受けたことで、自動車の回復が鈍かったことに加え、消費者の節約志向により、娯楽用品などの選択的支出(贅沢品)が低調となったことが、反映されているとみられます。

 

非耐久財については、2024年4-6月期に前期比+0.3%(1-3月期︓同▲0.3%)とプラスに転じたものの、2023年10-12月期対比では、+0.1%の低い伸びにとどまっています(図表4)。

 

出所:Bloomberg
[図表4]実質個人支出(非耐久財)の内訳 出所:Bloomberg

 

4-6月期は、食料こそ増加したものの、被服・履物が減少したほか、燃料はガソリン価格の上昇を受けて急減した1-3月期からの戻りが弱い状況にあります。

 

先行きを展望すると、コロナ禍で積み上がった過剰貯蓄の取り崩しが進んでいるなかで、労働需給の緩和を背景に、賃金の伸びが鈍化していることや、クレジットカードローンの延滞率が上昇していることなどを踏まえると、個人消費の減速傾向は継続すると予想されます。

次ページ個人消費の動向は…

※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(7/29~8/2)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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