長い「なぎ」のあとは?
長い「なぎ」は、直観的に、強気相場と整合性があるように思えますが、これ(長い「なぎ」)が途絶えると、その後の株式市場はどうなるでしょうか。
結論を言えば、「変動性は高まる可能性があるものの、株式市場の弱気相場入りを必ずしも示唆しない」となります。
まず、1970年代から1980年代にかけての動きをみると、2度の「なぎ」の長期記録が途絶えた後も、株式市場は1年を超える期間にわたり、上昇基調を維持しました。
次に、1990年代から2000年代にかけての動きをみると、1990年代後半は「なぎ」の長期記録が途絶えた後も強気相場が長く継続しました。
現在と類似性が指摘される2000年にかけての「ITバブル」当時は、そもそも変動性が高い日が多く、長い「なぎ」は観測されていません。
2007年当時は、「なぎ」の長期記録が途絶えた後、8ヵ月程度で弱気相場が始まりました。
上昇基調が維持される場合も
最後に、2010年代以降をみると、2度の「なぎ」の長期記録が途絶えた後、比較的短い期間のうちに、大きめの調整(変動)を経験していますが、政策支援もあって(→2016年は2度目の利上げを後ずれ;2019年は利下げに転じる)、株価は上昇基調を維持しています。
以上をまとめれば、長い「なぎ」が途絶えることは、必ずしも「株式市場の弱気相場入りの訪れ」を示唆しません。
ただし、数理ファイナンスの分野で学問的蓄積もあるとおり、株式市場は一度、変動性が高まると(あるいは、低くなると)、それがしばらく持続する傾向にあります。それゆえ、「しばらく変動性は高い」と考えておくことがよいでしょう。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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