データセンターのバリューチェーンに着目すると
近年はAIの普及に伴う情報処理需要の高まりから、世界的にデータセンターの開発が活発となっています。
図8で示されるデータセンターのバリューチェーン(セクター間での付加価値の連鎖)に着目してみると、データセンター需要の直接的な恩恵を受けるセクターとして足元の市場では半導体や関連するハイテク・セクターへの注目度が高いものの、これらに留まらず、データセンターの周辺産業ではオペレーター(REIT)や電力会社、エネルギー企業まで広範なセクターにも恩恵が及ぶことが期待されます。

データセンターの電力需要の恩恵受ける公益株
今後、データセンターからの恩恵が期待される代表事例として、AIブームによる電力需要の拡大が挙げられます。
米国でのデータセンターの電力消費量は、2010年代に入り頭打ちの傾向が続いてきましたが、近年はAIブームを追い風に拡大トレンドに転じています。米国電力研究所によれば、データセンターの電力消費量は今後一段の増加が予想されており、2030年の米国の全電力消費量に占めるデータセンターの消費量の比率は成長シナリオに応じて4.6~9.1%に上昇する見込みです(図5)。
一方、今後の電力需要の高まりが期待される中でも、2024年6月末時点の米国の公益事業セクターの株価のバリュエーションは16.7倍と依然として割安な評価がなされています(図6)。こうした公益株の事例は、AIブームをめぐってハイテク・セクターに偏重した市場の注目が他のセクターにも広がる可能性を示唆していると考えられます。


和泉 祐一
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社
シニア リサーチアナリスト
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