呪われても知りませんよ…“不気味な蔵”に興味津々の調査官
ここまで説明してきたように、現金や不動産以外であっても、資産的価値のあるものは課税対象です。富裕層は、資産の一部をこのような “実物”に変えて保有している場合もあるため、税務署は必死になって調べあげます。
実際、過去に知り合いから聞いた話では、実物資産に多額の追徴税を課された事例がありました。
その知り合いであるAさんの夫は資産家で、いわゆる“名家”とされる家柄です。Aさんの夫はその家の八代目当主でした。
そんなAさんの夫が亡くなってから2年後の夏、相続税の調査に伺いたいと税務署から連絡がありました。
当日、Aさん立ち会いのもとで調査が進められます。相続について調査官からひととおりヒアリングが済んだところで、調査官からある質問がありました。
調査官「母屋の隣のすごく立派な蔵って、いつごろからあるんですか?」
Aさん「あの蔵は築100年以上だと聞いています。代々、本家の当主以外は立ち入りが禁じられているので、私も入ったことはないんですよ」
Aさんの返答を聞いた調査官は、興味深そうな顔で次のように聞きます。
調査官「そうなのですか。そんな話を聞いておいて大変恐縮ですが、調査のため蔵のなかを見せていただいてもよろしいですか?」
Aさん「いや、ですから当主以外立ち入れないので無理ですよ! 当主以外が入ると祟られるとも言われているんですから」
調査官「うーん……今回は任意調査ですが、調査官には質問検査権というものがありますので、正当な理由なく拒む場合は罰則規定で懲役刑か罰金刑を受けることになりますよ。どうしても見せたくないというのであれば、今後はあるいは強制捜査に切り替わることにもなるかも知れません」
Aさん「……呪われてもよろしいのであれば。蔵の前まではご案内しますが、私は知りませんよ」
その後、税務調査官が現当主立ち合いのもと蔵を確認したところ、そこには驚愕の光景が。
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