今の時期は税務調査が増える時期
税務調査といえば「ある日突然やってくる」というイメージを抱いている人もいるかもしれません。しかし、税務調査には「調査件数が増える時期」や「入りやすい時期」があります。
例年、国税局や税務調査官の定期人事異動は7月10日と決まっているため、異動が落ち着いたタイミングで調査件数が増えていくと考えていいでしょう。
また、調査官の人事評価の査定上、この時期に申告漏れなどを見つけると評価されるといわれているため、調査官たちも気合を入れて調査します。
ただし、明らかに脱税が疑われている場合などは時期に関係なく行われますし、設立したばかりの法人や開業したばかりの個人事業などは、2~3年で倒産するケ-スも多いため、会社設立後3~5年後にならないと調査に入らないといった特殊事情も存在します。
課税対象となる「意外な物」
いまの時期、特に個人が気をつけておきたいのが、相続税の調査です。相続税の課税対象となるものは預金や土地建物などの不動産だけではなく、「金銭に見積もることができる経済的価値があるすべてのもの」とされています。
たとえば次のようなものも相続税の課税対象となるため、注意が必要です。
①自動車
自動車は、相続開始時点での時価で評価されます。高級車などは何千万もするものもあるため、相続財産として申告しなければなりません。また、クラシックカーやいわゆる“旧車”と呼ばれるヴィンテージカーについても、一部で価格が高騰しているものもあるため注意が必要です。
申告の際は、たとえば中古買取業者の査定価格などが参考になります。いまはオンラインで査定できるため以前ほどの手間はなくなりました。
中古車市場の相場がわからないときは、その車の新品価格から償却費を引いた価格となります。
②高級腕時計
普通の腕時計であればそれほどの価値はないのですが、たとえばロレックスやパテック・フィリップといった高級時計の場合、単なる時計としての機能を超えた価値を持おり、数百万~数千万円という価格で取引されることも珍しくありません。
相続税評価としては、亡くなった時点での時価となるため、オンライン等で市場相場を確認する必要があります。
③高級なお酒
「山崎55年」が香港のオークションにて1本約8,000万円で落札されるなど、近年海外で人気が急騰しているジャパニーズウィスキーや、ロマネ・コンティ、ペトリュスといった高級ワインなど、お酒も課税対象です。これらの相続税評価額は亡くなった時の時価となります。
④骨董品・美術品
骨董品や美術品も相続時点の時価で評価されます。購入して間もなければ購入価格による評価となりますが、価値がありそうなものであれば、専門家に鑑定を依頼したほうがよいでしょう。その結果、実は無価値だったとなれば、家財一式として評価に含めてもよいでしょう。
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