Aさんも知らなかった“不気味な蔵”の真実
なんと、蔵のなかは外見の不気味さから想像もつかないほどきれいな内装で、数々の絵画や骨とう品が飾られていました。さらに、それらを見渡せる位置にひとりがけの椅子と小机、そして部屋の隅にはワインセラ-も置かれていたそうです。
蔵のなかにある品々の価値を調べたところ、なんと合計で約5,000万円の価値があることが判明。外見はかなり古く、不気味な様相を漂わせていたそうですが、実のところ蔵のなかは綺麗にリフォ-ムがされており、当主が趣味の絵画やワインを楽しむための“秘密の部屋”として使われていたようでした。
結果的に、相続税の追徴税額としての加算税を含めて3,000万円ほどを納付することとなりました。もっとも、Aさんは絵画や骨とう品、ワインなどにまったく興味がなく、すべて売却することにしたそうです。さらに「余ったお金で旅行でも行こうかしら」と上機嫌に話してくれました。
“実物資産”の申告漏れ→追徴課税は珍しくない
今回紹介した事例ほどではないにせよ、実物資産を相続財産として申告しなかった結果、後日の調査によって追徴税を課されてしまうというケースは珍しくありません。
通常の税務調査は任意調査で行われますが、任意とはいえ正当な理由なく拒否した場合は罰則がありますし、どうしても拒んだ場合、怪しいと思われて強制捜査に切り替わる可能性もあるため、素直に申告しておいたほうが安心です。
「これは申告する必要があるのか?」など迷った場合には、専門家に相談することも検討してみましょう。
宮路 幸人
多賀谷会計事務所
税理士/CFP
税務調査を録音することはできるか?
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