前回は、フィリピン不動産の未来を変える新たな「ポータルサイト」について説明しました。今回は、フィリピン不動産投資で留意したい「売却タイミング」について見ていきます。

日本の場合、オリンピックが大きなファクターだが…

コンドミニアムでキャピタルゲインが効率的に得られる売却タイミングを考えたときに、最も良いのは、市況が良い時期まで待って売却することです。

 

日本で言えば、2015年は明らかに「売り」のタイミングでした。そして、オリンピックまでは、不動産価格の高騰は継続するのではないかと想定されています。

 

 

こうした日本の市況とは別のタイミングで、やがてフィリピンでも物件価格が大きく上がる市況がやってくることでしょう。

 

ただし、理想的な売却タイミングは、あらかじめ何年後、と想定することはできません。相場を予知する能力があれば、もはや超能力者です。

 

そのため相場とは別に、フィリピン不動産売却の目安となる売却のタイミングを提案します。売却にはいくつかのルールがあるのです。

 

まず前述したように、めったにない安い物件を購入できるチャンスが巡ってきた場合。これに対しては、即時対応すべきです。キャピタルゲインが見込まれる物件を売って、新しい物件と入れ替えしてもよいでしょう。

 

しかし、通常の場合は、私たちは次の2点を売りのルールにしています。

 

■売却ルール

・完成後6カ月~1年以上は所有する

・物件の評価は約3年後にわかる

相場が落ち着くまで、完成後最低6カ月以上は待っ

私たちは、「建った瞬間に売る」という想定はまったくしていません。それは売却のタイミングとして一番不適当と考えています。

 

たとえば株でも同じですが、いくら売却日を決めたとしても、そのときの市況によって冷静に判断するのは当然のことです。早く利益を確定させたいという気持ちはわかりますが、それは確実にマイナスを生むことになります。

 

プレビルドで購入した物件を、完成した瞬間にキャピタルゲイン狙いで売るのはお勧めしません。同じようなタイミングで、キャピタルゲイン狙いの売り物がドッと出ますので、相場が崩れ安値売りしてしまう可能性が高いからです。

 

最低でも、完成後6カ月以上は待って、相場が落ち着くのを待ったほうが安全でしょう。

 

不動産売買では売買契約書を作成しますが、この契約書では売買したことを証明できません。

 

自分の名前が記載された権利証が出るまで、所有権の主張ができないのです。しかも、権利証が出るまで6カ月~1年程度の期間がありますから、その間の権利書のない物件に対して、お金を出して購入する人はいません。つまり、物理的にすぐ転売することは不可能なのです。これで失敗する日本人がたくさんいます。

評価が高い物件はいつでも「高値」で売ることができる

また、最低でも竣工後3年は経たなければ、物件の評価はそこまでわかりません。

 

フィリピンでは、竣工して引き渡しが終わってからオーナーが内装の工事をします。内装工事には半年はかかるので、竣工後1年だと、オーナーたちが客付けして契約している状態です。

 

 

また、フィリピンの物件は下から順に竣工するので、物件すべてがターンオーバーし終わるのにタイムラグが大きいのです。上のフロアを買う人は引き渡しが遅くなります。私たちが購入した51階の物件の場合は「竣工しました!」と案内が来てから、鍵の引き渡しまで1年半もかかりました。

 

このような事情もあり、最初の竣工から実際に建物がすべて完成し、客付けが終わって落ち着くまで、最低でも2年はかかるのです。3年もすれば住んでいる人たちの生活感もわかってきます。

 

評価が高い物件であれば、そのブランド価値でいつでも高値で売ることができるので、インカムを稼ぎならチャンスが来るのを悠々と待っていたほうがよいでしょう。

 

開発エリアに高級コンドミニアムが建てば、その周辺はどんどん開発されていきます。たとえば1500世帯の高級コンドミニアムが建つと、3000 ~ 4000人もの人口が増えます。その周辺には大型スーパーやコンビニ、ショッピングモールなどが出店し、ひとつの街ができあがっていきます。

 

ただし、その複合的な開発というのはコンドミニアムと同時に建ち上がるのではなく、後付けとして各施設ができるものです。だからこそ物件の価値がどんどん上がっていくのであって、その開発を待てない、もしくは予想できない人は結局損をしてしまいます。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

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