(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2024年7月16日に公開したレポートを転載したものです。

資本政策は株主価値と無関係

しかし、「TOPIXから外されたくない企業が頑張ってTOPIXに残ろうと経営努力をするので、企業価値が高まるから株価が上がる」というロジックの前半のこの部分「TOPIXから外されたくない企業が頑張ってTOPIXに残ろうと経営努力をする」が百歩譲って正しいとしても、問題は「どのような経営努力をして企業価値を高めるか」という点だ。

 

東証が要請した「株価や資本コストを意識した経営」は、端的にいえばROEを高めましょう、ということだ。実際、多くの企業が自社株買いや増配などを行っている。使い道のないキャッシュを抱えているより投資家に還元したほうがいい。それは正しい。しかし、そうして自己資本が小さくなってROEを上げても株主価値は上がらない。モジリアーニ・ミラーのいうとおり、資本政策は株主価値と無関係である。

 

実際にROEの高い企業が企業価値を高めているだろうか? ROEと時価総額の相関係数はほぼゼロ。1年間の変化幅・変化率で見てもほぼゼロだ。長期で見て、相関係数はやっと0.1くらい。ほとんど相関がない。

 

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成 ※x:ROE、y:時価総額 基準日:2024年6月末
[図表1]2024年6月末時点プライム企業 相関係数0.05 出所:QUICKデータよりマネックス証券作成
※x:ROE、y:時価総額 基準日:2024年6月末

 

出所:
[図表2]プライム企業 年数・相関係数別 出所:QUICKデータよりマネックス証券作成
※x:ROE変化幅、y:時価総額変化率

 

企業価値を高めるというのは、小手先の財務テクニックではないし、ましてや取引所の指数採用云々の話ではないというのが筆者の持論である。

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

 

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