(※写真はイメージです/PIXTA)

安定のイメージが強い公務員。なかでも国家公務員は、年金額や退職金額も高いケースも多く老後も問題なさそうにみえます。しかし、いくら老後資金があっても、いざというときの事前対策を怠っていると、家族に迷惑をかけることも。特筆すべきは、生涯医療費の約半分が70歳以降にかかること。日本は公的医療制度が整っているからと慢心している人は要注意……。本記事ではAさんの事例とともに、老後資金の落とし穴について、合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が解説します。

いざというときの現金確保に備えておく

実は、Aさんの趣味は株式投資でした。優待や配当狙いで、銀行に預金していたら損だと公言していたとおり、銀行口座の残高は100万円を切っていました。いざとなったら売却すればいい、と思っていたようですが、軽度であるものの言語障害が出ているため証券会社へ発注の電話をかけるのもいまのところ厳しい状態です。

 

昨今、定期預金の金利は上昇しつつありますが、物価の上昇には残念ながら追いついていません。資産運用をするのは賢明な判断ではありますが、Aさんはどうすればよかったのでしょうか?

 

生涯医療費の約半分が70歳以降にかかる

まずは医療費の確保を想定しておくべきでした。預金で備えておけば万全ですが、株式などの資産でも対策を行なっておけば今回のような事態は防げたでしょう。たとえば、店舗のある証券会社では「代理人登録」といった手続きを行っておくことで、息子が代理人として取引の窓口になることは可能です。いざというときに現金化できたはずです。

 

厚生労働省が算出している令和2年度の「生涯医療費」では、一生涯にかかる医療費の50%超が70歳以降に集中していることが明らかになっています。さらに、医療費には保険がきくものときかないものがあります。

 

特に、今回のAさんのケースでは保険がきかない個室料の負担が大きくなってしまいました。幸いなことに、2人部屋に空きが出たら移れるよう手配できた、とのことですが、何事も備えあれば憂いなしです。

 

 

三原 由紀

合同会社エミタメ

代表

 

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