(※写真はイメージです/PIXTA)

安定のイメージが強い公務員。なかでも国家公務員は、年金額や退職金額も高いケースも多く老後も問題なさそうにみえます。しかし、いくら老後資金があっても、いざというときの事前対策を怠っていると、家族に迷惑をかけることも。特筆すべきは、生涯医療費の約半分が70歳以降にかかること。日本は公的医療制度が整っているからと慢心している人は要注意……。本記事ではAさんの事例とともに、老後資金の落とし穴について、合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が解説します。

トレーニング中に病院へ緊急搬送

ところがある日のこと、いつもどおりランニングマシーンで汗を流していたところ、「あれ、なんかおかしいぞ」と明らかに身体に変調をきたしたAさん。その様子に気づいたトレーナーが駆けつけ救急車を呼ぶ騒動になってしまいました。

 

ジムのスタッフの迅速な対応により、一命をとりとめたAさん。脳梗塞のため2週間の入院措置となりました。

 

片麻痺などの症状が見られるものの、医師からはリハビリを続ければ改善の見込みあり、と回復期リハビリテーション病棟への転院を助言されたのです。とりあえず希望しておいた病棟で個室の空きが出たこと、また、息子夫婦から「早く集中的なリハビリを実施したほうがいい」と強く進言されたこともあり、転院を決めました。

 

転院先のリハビリ病棟で1ヵ月の医療費「40万円超え」

1ヵ月後に請求された入院費に驚愕。なんと、入院費が40万円を超えているではありませんか。公的保険でカバーされる部分は3万円ほど、そのほかは保険がきかない個室料と毎日かかるアメニティ代やオムツ代で37万円ほどかかっています。

 

なお、回復期リハビリテーション病棟とは、特定の疾患に対して集中的なリハビリテーションを行い、スムーズな在宅復帰を目指す病棟と言われています。入院できる期間は疾病によって60日から180日以内と決められていて、Aさんのような脳血管疾患は150日以内になります。

 

いつになったら退院許可がおりるのか、入院1ヵ月目では見当もつきませんが、最大150日(5ヵ月)とすると200万円超えになってしまいます。退院後は自宅で暮らす予定ですから、自宅内に手すりを設置したりなど改修費用もかかります。

 

「やばい、お金が足りない。このままでは現金がショートする……」と頭を抱えたのはAさんの息子です。というのも、諸々の事務手続きなどのために休暇をとり、実家でAさんの銀行通帳を確認していたからです。

 

Aさんは元国家公務員。月額20万円超えの公的年金を受け取り、住宅ローンなどの負債はゼロ、退職金2,500万円で悠々自適の老後を送っているはずなのに、いったいなにが起こったのでしょうか?

 

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